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村上裕一の不定期コラム(仮)#11 実演の効用3
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村上裕一の不定期コラム(仮)#11 実演の効用3

2014-09-26 08:00
    実演の効用3
     思い出したのだが、概念がないことと「見えない」ことがもっとも典型的に現れるのは色の概念である。たとえば日本人にとって虹は七色だとされている。実はこれが七色だということにしたのもニュートンである。ところが、色を表現する基本語彙が異なる部族の場合は、たとえば虹を二色や三色の表象だとして表現したりすることがあるのだ。
     とはいえ、これは当の部族が未開的だから語彙が少ないということではなくて、言語の文節範囲が異なるゆえの現象だと考えねばならない。いまどき繰り返すのも古臭いことだが、構造主義の起源とされる言語学者ソシュールが述べたように、私たちが認識する事物というのは、事実や物が先立っているのではなく言葉が先立っている。言葉が先立っているということを「言語の恣意性」と言う。日本語と英語を比較して、同じ価値を持っているとされる「犬」と「dog」が実はそれぞれ違うものを含んでいたりするのがその一例だ。dogはジャッカルを含むしジャッカルは実際イヌ科だが、私たちは犬といってジャッカルを想像しないだろう。
     
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