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ビュロ菊だより 第二号「菊地成孔の一週間」第二回~(笑)からwwwへの自己更新を目指して~
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ビュロ菊だより 第二号「菊地成孔の一週間」第二回~(笑)からwwwへの自己更新を目指して~

2012-10-24 03:00

    「菊地成孔の一週間」 第二回
    〜(笑)からwwwへの自己更新を目指して〜  

    (前回の続きから)


     10/16(火曜)
     
     「ビュロ菊だより」一号目の日記をマネージャーに送り、結局ブリッコラではなくプレゴに行った(最近はそんな事も無くなったがーー景気の悪化でーー、もの凄い顔でトラットリアで僕を待ち伏せている好事家の方が昔はちらほらおり、もうああいう人も生存出来なくなったろうなあと思っている訳だが、今回メディアを変えたので、まあ一応)。魴鮄(ホウボウ)のヴァポーレ、ブールブランがとても旨かったが、メルマガ開設前夜のドタバタのため、じっくり味わっている余裕が無かった。山の様な業務メールを読み書きしながら歯ごたえのしっかりした魴鮄のフィレを噛み締める。目でメールを追いながら物を喰ってはいけない。

      とはいえ大満足でディナーを済ませ、帰宅してポッドキャストで「粋な夜電波」の大西順子さんとの対談の回を聴く。大きな声では言えないが、ポッドキャストの存在については反対である。番組でも何度か言ったが、おたくはライスだけでも絶品ですね〜と言われて嬉しいカレー屋がいたらお目にかかりたい(ミャンマーやブルネイだったらいると思うが)。

      <ライスを試食させてカレーライスを喰いに来させるんですよ、普通の宣伝行為ですって>というラジオ局の言い分はよく解るのだが、宣伝用のライスだけ喰って暮らす、つまり「美味しんぼ」に出てくる、デパ地下の試食だけで、大変なグルメとして生きている(確か、元社長だが会長だか何だか)という大変な粋人のライフスタイルが一般化する、という異常事態に関して、最低でも経済学者のコメントは無いのだろうか(とっくにあると思う。SNSとかで)。

     だってそれキャバクラ嬢が1時間に一度、交代で店外に出て手を振ったりなんかしたら、絶対にそれだけですくすく育つ肥満児が多産されるに決まっているじゃんー。とかなんとかこねくり回しているが、実のところAM文化に於いては伝統的に、喋りがカレーで、音楽がライスなのだ(これでも慎ましい。実際の所は、喋りがカレーライスで、音楽は冷たい水ぐらいだと思う)。それをひっくり返した番組だという自負があるだけに、一般的なAMカレーと同じ扱いを受けるのがちと辛いぜーというだけの話で、これは身から出た錆だ。身から出た錆ばかりで生きている。

      大西さんは非常に知的で露悪的な毒舌家で、今まで誰も指摘して来なかったし、放っておいたら今後も誰も指摘しないので一応書いておくが、実はマイルス・デイヴィスの毒舌に最も近い日本人である。マイルスが好きだっつうなら、大西さんぐらい吐けよと言いたい。毒舌だけではない。マイルスに最も似たエゴを持つ日本人ジャズミュージシャンは大西さんだと思う(過去、引退し、復帰したから。とか、最も売れたという実績があるから。という、シンプルな見立てによってではない)。

      なので、わざわざ番組に呼び出し、丸投げにして舌禍に導き、火傷を負わせる(テレビがむしろ、これを狙ってミスリードしようとするのは誰でも知っている通りだ。なので出演者はかなりの適性が必要とされる。僕には全くないのに、それを求めてくるPDが山ほどいて、後日書くが、馬鹿というよりMなのである)等という失礼がないようにコントロールする事だけを心掛け、あとは大いに楽しんだ。

      収録なのでほとんどがカットされたのだが、大西さんはアメリカの現場英語を使う(これはバークリーのジャズ留学者ほとんど全員に共通する事だ。含「カンナム・スタイル」のサイオッパー)ので、勢いコチラもヘタクソながら応答してしまう。オンエアでは「ワードオブマウス」と「スレイヴ・ドライヴァー」と「コンピング」が流れたように思う。

      ワードオブマウスは噂の事で、日本でも認知度が高いが「スレイヴ・ドライヴァー」をSMの女王か何かのように捉えて欲情した人々もいたかも知れない。
    しかしこれは「キツい現場の責任者」の事で、部下をあたかも奴隷の様にドライブするという意味である。日本語だと<扱き使う>と書く。と、いずれにしてもMならば欲情楽勝だろう。Mが最強だ。

      音楽トリビア(腹が減ると焼き鳥屋に思える語。そういう状態の時は「ボードレール」はスケートボーダーがレールの上を滑っている所しか思い浮かばない)みたいでアレだが、「コンピング」は、長らく和製英語で「バッキング」と言われて来た。

      ソロ奏者の伴奏の事で、海外で通じなくもないが、少なくともジャズでは圧縮を意味する「コンピング」となる(和音を拡張ではなく圧縮するのがジャズ伴奏の基本)。海外で「オレのソロのバッキングをしてくれ」と言うと「オレの演奏を支援/援助/後援してくれ」のようなニュアンスも生じ兼ねない(ジャズメンで、実際そういう事を言う奴も多いので)。

      「ビュロー菊地チャンネル」の立ち上げは、動画セクションがややトラブっている。画質が悪いそうだ。テクニカルな事は全く解らず、手をこまねいて状況見ているばかり(動画は見ていない。見ているのは状況)。いずれにせよ難産だが無事に生まれたとしよう。自分の出生と全く同じになったという訳だ。祝いのシャンパンとグラッパによる酔いをシャワーで醒ましてから、ストレッチ&整体。

     10/17(水曜)
     

     午後4時起床でこの日記や連載エッセイを少々書き、美学校の高等科授業に向かう。高等科は課程修了に向けて、前回から最終カリキュラムの「ブルース概念」に入った。
     デルタから始まってビーフハート方面からエリントン方面まで、ブルースがエレガンス←→ラウド軸を、両手を目一杯広げて発達して来た事を、音盤を流して説明するが、何を聴いてもウットリしてしまい、講義ではなくなりかける。「持っていかれる」という奴である。今日、最も強かったのはジョン・リー・フッカーだった。うおーと言っている間に、何を話そうとしていたのか忘れてしまうし、忘れてしまっても構うもんかと思ってしまうのがヤバい。

      これは音楽理論を教える身にも、教わる身にも大変なアポリオなのだが、アポリオはあった方が良いに決まっている。ジョン・リー・フッカーは凄い。デルタが持っていた初期衝動、特に手と口のポリリズムによって生じるバグを忘れない。ハイファイ録音時代でも悠々とバグっている。

     数日前、選曲家の中村ムネユキくんと焼き鳥屋の話をしていて(「バードランドがミシュランで星取ってるよね」とかーーもちろん日本の焼き鳥屋の方。NYのバードランドがミシュランで星取ったら笑う)、中村君一押しの焼き鳥写真をスマートフォンで観ていた件や、昨日のトリビア(何と実際にその名前の店があった。鶏がビール飲んでいるキャラクターの)の件も合わせ、帰途につく前、衝動的に焼鳥屋に行きたくなって「とり竹本店」まで歩いて行った。

      とり竹に行く事はおろか、渋谷で食事をする事自体が15年ぐらいぶりなので、なんだか幻想病の発症というか、映画のセットで食事をしている気分だった。ハイボールを2杯飲んで、15年経っても相変わらず旨い焼き鳥を食べたのだが、まったく落ち着かない。一瞬も落ち着かない。

     臨席の、モデルか新人映画俳優のようなカッコいい青年二人は、DJやめたら福岡に帰るしかないけど、必ず頂点に立つとか、クラブ狩りは朝鮮人の企てだから絶対に許せないとか言っているし、更にその臨席の超カッコいい青年5人組は「ナルトってまったく、オレ等の世代からとったら、リアルじゃない派やんなー。せやろ」とか、文法的にも単語的にも全く意味が解らない(ずっと聴いていて解った。マンガの話をしていたのだ)。新宿にも銀座にも、こういう会話をする焼き鳥屋の客はいない。

      渋谷が嫌いな訳でも、若くてカッコいい人々が嫌いな訳でも、ましてやナルト(何のナルトだか良くわからないとはいえ)が嫌いな訳でもまったく無いのだが、渋谷はもうすっかりアウェイになってしまった。5分ともたない。実際は1分ともっていない可能性もある。急いで席を立ち、つくね串を一本口にくわえたまま会計をし、店の前でタクシーに飛び乗る(ちゃんと店の真ん前にいた)。

     明治通りを渋谷から新宿に向かうのは本当に気持ちが良い。原宿でまず最高にアガり、北参道(ビストロダルテミスがある)の高架をくぐって代々木を経て、辻調(辻調理師学校)を越え、高島屋を横切る辺りで、パーフェクトなリラックスが訪れる。眠く成ってしまうほどだ。翼よ、あれがパリの灯だ。

      プレゴ前でタクシーを降り、グラッパ(マストロベラルディーノのノヴァ・セッラ)だけ飲みに行く。臨席のカップルは、ねえ?あたし水着の日焼け跡みたいでしょ?ぜんぜん。ねーえー。水着の跡みたいでしょ?別に。いやあだー、あたしが見せたいの。俺は見たくない。じゃあ見なくていいよ。勝手にあたしが見せるから(といってニットの肩口を20センチほどズリ下げ)、ねえ興奮した?ああ、わりかし(パスタを食いながら)。とか言っている。やっと我が家に着いた。

     帰宅後、ヴォルビックを2リットル飲み、シャワーで酔いを醒ました後ストレッチ&整体。いけないこれでは田中康夫ちゃんのペログリ日記(の、セックスとマスターベーションが出てこない奴のほう。しかしセックスとマスターベーションの回数と相手を律儀に書いていた初期「ペログリ日記」はハンパない。露悪趣味ではなく、貴族趣味の極地だ)みたいだ。これでは脱ダムもwwwも遠のくばかり。明日から文体をすっかり変えてしまわないといけない。
     

    10/18(木曜)


     やや贅沢に午後5時まで寝てしまう。「ビュロー菊地チャンネル」は、概ね高評もしくは「とにかく三輪君をもっと鮮明に見たいのだけれども、菊地さんの焦らしが上手すぎるので、このままの画質で悶えます」という、趣味の方からの麗しいご意見を除けば、高い高いの大合唱と(ニコ動が)ダサイダサイの大合唱だ。

      後者は個人の感想(←この歳になってもまだ、こんな嫌な言葉があるかね。というほど凄く嫌な言葉。商品カタログ番組の隅に小さく出ている)だから仕方が無いが、高い高いの大合唱が、読んでいない&会員登録していない人々の大合唱である事に、いくらインターネット退行時代とはいえヒヤヒヤする(この国の行く末に。30%ぐらい本当)。
      これに関しては「高い高い〜って、こっちは赤ちゃんじゃねえんだ(笑)」という「第三インターネット」に書いた一言でもう、言いたい事は総て済んでいるのだが、それでも現時点でこの合唱、ぜんぜん止まらない(追記*実際売り出したらすぐ止まった・笑)。

      これが決定的で最高のまとめ議論だ。という訳ではないが、例えば以下の様なやりとりをした(毎度お馴染みのメディア論だし、辛気くさいし、とにかく長いので、この問題に興味が無い人はスキップをお是非勧めする。いつもの通り、インターネットによる退行クレーマー託児所の赤ちゃん全員泣き出す社会の話である。我ながら退屈極まりない)。
     

             *    *    *    *

     菊地さんこんばんわ。
     

     メルマガの開始に対して、菊地さんの苦手なクライマックスシリーズを観たあとにふと思いまして、ツウィートした内容を、失礼ながらコピペしてそのまま貼り付けてメールさせて頂きます。(多少付け加えました)

    ライブの集客の為うんぬんとか、メルマガのコスパや内容うんぬんとかじゃなく、そういう人達(ファン等を指す)が形のないものに毎月840円払い続けるのか(ニコニコなんとかっていう配信方法のセンスもしかり)ってのがそもそもなんじゃないかと。ドミューンなんかから年何回かで形のある物として出すってってんならまだしも。

     本やCDを現物で集めてきた人らにとっては、むしろ手が出しにくいものでないかなと。音源ならば本当に欲しければCDを買うだろうし(例えばitunesならば音は落ちるが安いし手間が省けるって点で優れてるので需要があるだろう)し、対して文章は値段やお手軽さの比較対象が少なすぎるので(840円もあればいい本が本屋で買える。)、形のない有料の文章を買うということ(+スマホ、パソコンで読む事が)が逆に邪魔くさいし、読みにくいのでは。(本一冊持ちあるいててもなんら不快ではないし。)(ただデジタルの場合、スマホにあれば、ちょっとした瞬間にお手軽に読めるという利点はある。)なので結局は本ではないものに定額料を払えるのかというところに戻るのですが笑ただまだまだ製本されているもののほうが読みやすいのも事実だと思います。菊地さんのようなとくに長い文章を読むのにも。

    動画配信は時代に適して良いだろうけど、やっぱそこはドミューンとかと組んだほうが絶対面白いだろうに。なので数ヶ月後にはもっと進化したビュロ菊だよりに期待したいのですよ、菊地さん。~というような雑な内容ですが。
     さらにニコニコ界隈の方々を取り込むよりも、ドミューン筋の方々を固めていったほうが手っ取り早いのではないかとも思ったり。

     まだ購入もしていないのに、つべこべ言うなという感じですよね。十分承知しています、購入したら楽しいだろうなと。内容や企画の素晴らしさというものは絶対だろうというのはものすごく伝わっていますし、わかります、(ただし、いままであなたに携わってきた人達には)ただやはりそれだけでなく、私個人としては、初めて閲覧した菊地さんのサイト

     fontaine/degustation」~「Pelisse」~「第三インターネット」


     この素晴らしく美しい歴代サイトからのニコニコチャンネルへの移行~では内容がどうであれ、あまりにダサすぎます。(ちょうどニコニコチャンネルでメルマガを始めるのに乗っかってみたというところも)せっかくのビュロー菊地があるんだから、そんなもんに乗っからなくても、もっと他の素晴らしい方々と練り上げてからの企画にしていけばとても素晴らしいものになるのではないでしょうか。

     雑すぎる文章ですみませんでした。色々考えましたが、なんか逆にスッキリしてきたので、まずは第一回配信は楽しみに購入させて頂こうと思います。
     順番が違いますが、○×と申します。大変失礼致しました。今後もご活躍楽しみにしています。では失礼します。

     ×さんこんばんわ
     

     どうもどうも菊地です。同様意見を滝の様に浴びているのですが「金を払いたくない」というだけの事に異様に長い言い訳が付されている物と、ニコ動が嫌いだというだけの事に、異様に長い言い訳が付されている物以外バリエーションが無く、勢い問題の焦点が「何で人々は金を払いたくないのか」と「何で人々はニコ動が嫌いなのか?」の二つに収斂されてしまっており、ワタシの行為に影響力を持ちません(御存知だと思いますが、ワタシは人の言葉に耳を貸さないタイプではないです。説得力を感じれば動きますよ)。
    ドミューンは確かにニコ動よりかはカッコ良い感じがしますが、メルマガの機能を持ちませんし、動画はジャズドミューンとは全く別な事をするので比較対象になりません。また「数ヶ月後にはもっと進化したビュロ菊だよりに期待したいのですよ」と言われましても(笑)、まだ一回目を配信したばかりで&どうやらそれすらもご覧頂けていない様なので(笑)、このご指摘はまあちょっとその、余りにもこの、若々しいなと(笑)。

     というか、絶対買え!オレのファンなら!等と言うつもりは全くありません。金が払いたくなく、ニコ動がお嫌いなのであれば絶対に買わない方が良いと思います(笑)。いずれにせよ、友愛のヴァイブスを感じ、良い気分になりましたのでお返事させ上げております。ツィッターにこの返信は転載自由ですが、出来ればいじらすにそのまま転載して下さい。
     

    菊地さんへ

    すみません、もう少し駄文失礼します。
     例えば実物(実体)として出した場合でも、メルマガという新しい(さほど新しいとは言えないのかもしれませんが)実体のない方法で作品を出した場合でも、根本の金銭的な形態、取り分(出版社、ニコ動がいくらで、菊地さんがいくらみたいな)の形は一緒なんだろうなと。むしろメルマガという方法のほうが菊地さんへの割合が多いのかもしれないですよね。

     いままでであれば菊地さんの本を買う。という行為に対して、○○出版さんにもお金を払うという思いが付随しにくい(それが当たり前で育ってるし、現物からは感じ取りにくい。あくまで裏方ってイメージ)、それに比べ今回のメルマガに関してはニコ動主導のコンテンツであり、ニコ動の中のそれっという色が強すぎるのだろうなぁ~と思いました。だから、菊地さんの作品にお金をだすという感覚よりも先に、840円のうち、いくらニコ動に払わなきゃなんねーんだよってが先になるのかなと。(840円は菊地さんに全部入ってきて、それとは別に菊地さんが使用料を払うっていうような方法かもしれませんが。もはや想像です~)

     たださっき、ビュロ菊チャンネルまで入ってしまえば、なんてことはない、菊地さんの色で、ニコ動なんかそんな気にならないんだっていう笑。そんなことを感じました。
     あとは、まだこれからいろいろと掴んでいくんだ、試していくんだっていう(すべてにおいて実験性を孕らんでいるんだっていう、ポジティブさというか。)姿勢であることも、ご挨拶など読み返して実感しました。ただやはり菊地さんのサイトのdiaryからだけでは、お金が必要なんだという部分だけが強く印象に残りすぎてしまっているのではないかなぁなんて思ったり。

     まぁこんなこと昨日の返信を頂いた内容から察するに相当数同じことを言われているでしょうけど、思ったことメールしてみました。
     数ヶ月後のビュロ菊だよりに期待しますといったのは、その場の勢いでいってしまった部分もありました。すみませんでした。ただドミューンに関しては、メルマガという機能をもたないから~とかジャズドミューンとは違いをもたせるため~に→ニコ動を使う。(メルマガもちょうど始めるし)というのではなく、ドミューンという媒体を使ってもっと面白いことは出来なかったのかなと考えただけです。「宇川くん、ちょっとさ、ドミューンで、もっとこんなこと(今の流れでだと、メルマガとか)出来ないのかな、なんか面白いことをさ。」みたいな会話とか。わたしドミューンの運営方法とかまったく知らないで話してますけども。「菊地さん、ニコ動始める前に一言言ってくれれば、ドミューンでも何かやれたのに。菊地さんのいけず~」(なんて宇川さんが言ったり)とか笑。もう危ない妄想です笑。なんかニコ動に嫉妬をする、恋する乙女の妄想みたいになってきたので、そろそろ限界です笑。

     今回ので、菊地さんの大義は十分理解できたような気がします、なのでよい時間だったと。あと友愛のヴァイブス~は言い過ぎです笑。身に余る光栄ですが。本当にバカなただのいちファンです。たぶん何度かメール(ラジオにも。ちなみにラジオネーム△△と申します。どうでもいいですね。)させて頂いているので、そのかすかな余韻があっただけではないのかなと笑。

     長々となりましたが、最後に(笑)だけは永遠に使い続けてください。わたしも使い続けたいので。そのほうが後ろめたさ、恥ずかしさなく、堂々と使って行けます!笑では。失礼いたします。

     ×さん菊地です。
     

    あの、やはり、メールの続きを頂戴しても、「金を払いたくない」「ニコ動はキモいから嫌い」という原動力以上のものを感じませんし(笑)、ラジオネーム「△△」さんであるのなら尚更ですが、ここから先は我々が議論するとかそういう事でも無いと思いますんで(笑)、あのう、これはニコ動とか菊地成孔とかいった具体例と無関係な、一般論として考えて頂きたいのですけれども。

    「金を払いたくない」「高い」「金が欲しくてやっている様にしか見えない」といった批判が、茫漠たる商品情報だけの段階で大量に生じるのは明らかにマスヒステリーであって(実際に商品が届き、それが不良品であったとか、商品情報が事前に理解されている上で、その価格が明らかに平均値を上回っているとかーーー例えば「普通の焼き芋。2万円」とかーーだったら解りますが。また、消費者個人の可処分所得が低く、欲しい物が何も買えないとして、それが不当な給料しかくれない雇用者や、雇用の無い社会全体や、不甲斐ない自分に向けられるのではなく、プロダクツ生産者やアーティストへに向けたクレームになるのは、冷静に考えるとかなり被害妄想的です)、ワタシは、現代の消費者が「こっちは金がないんだ。誰かに騙され、誘導され、損などしている暇はない。コスパを最大に上げたい。というか得をしたい。自分は得していない。どこかに得している誰かが要るのだ」と思うように思うように、社会に仕向けられている結果だとしか思えません。これは昔ナチスがやった事です。

     現在生け贄になっているのは前述の通り、クリエーター/プロデューサーであって、体制に向けられるべき怒りの何割かを、不当に割り当てられていると感じています。民は一方で体制にもクレームをつけ、デモを起こしますが、商品査定や商品クレーム、販促形態へのクレームに忙しく、力が分散されています。しつこいようですが、これはワタシだけの話ではなく、一般論としてです。怒りには、簡単に言ってオトナっぽい怒りとコドモっぽい怒りがあり、コドモっぽい方は、還元するに甘えによる攻撃性であって、対象を親に、自分をコドモに設定し/看做し、いくらでもダダを捏ねられるという既得権益を予め持っている様なかたちの怒りですが、このままだとユーザー=クレーマーという図式が、傾向ではなく完成形に至ってしまうと懸念しています。

     これはインターネットによる退行という、一種の罠です。インターネットによってコドモになってしまったユーザーは、あらゆる物や事にケチをつけ、乳幼児がオムツが濡れたミルクが欲しい暗闇が怖いといっては泣くように、イライラすると指先が動き出して(幼児が泣く&それが託児所全体に広がるのを止められない様に)自分でも止められない訳ですが、ライフラインであるネット/SNSを司る企業にはケチをつけられません。オレをこんな「いいね」というミルクが欲しいだけの飢えた赤ん坊にしてしまったフェイスブックを爆破してやる。というテロリストは絶対に出ません。ジャンキーと同じです。生殺与奪の権を握っている、要するに「おっかない方の親」の存在は埒外においてしまい「おっかなくない方の親」にはやりたい放題することが自分でも止められなく成る、というアンバランスがDVやイジメやファシズムのイーシャンテンであることは、誰もが知る事ですが、そういった事は主にSNSで語られるので(笑)、お釈迦様の手のひらの上です。

     恐ろしいのは、生産者やアーティストもひとたび立場を変えればユーザーであって、彼等も幼児性と、コスパを追求するという、紛いのオトナ性(コスパを考える事は、情報収集と計算という知的作業を経由するので、一見オトナに見えますが、見えるだけであって結局、嫌だと言って無くのだから、オトナの擬態です)の二極によって駆動されてしまう、つまりマーケットとユーザーの撞着です。

     つまり、作り手が「客が高いと言っている、コスパが悪いと言っている、ステマに釣られたと言っている」とマーケットリサーチした時の反応として、「いやあ、そんな事どうでも良いじゃないか。なにいってんだ」という方向に行かず、(1)「よし、コスパの良い商品を作ってお客様に喜ばれよう」(2)「よし、コスパの良い商品に見える様に細工して、クレームを回避した上で更に儲けよう」という二極の判断しか下さなく成ってしまう事で、これがファシズムのテンパイです。

     ワタシの総ての営為は、生まれたときから一貫しており、そうした事を回避しながら、楽しく良い調子に生きる事です。楽しく調子良く生きるには、コスパが悪い時もあります。「粋な夜電波」なんて、ワタシの立場からすればコスパ最悪です。ギャラは一回も黒字になった事がありません。台本書きとCDの購入にギャラが発生しないからです。

     つまり、台本も書かず、選曲もせず(ワタシは、これはスピンすべきCDだ。と思ったら、その都度私的に購入し、ほとんどは経費に計上していません)、仕事の合間に、時間になったらスタジオに入り、作家が書いた台本とメールを読む、という、タレントさんが貰う分のギャラしか頂いていません。TBSが搾取している訳ではない。ワタシが勝手にコスパ悪くやって人生を楽しんでいるのです。コスパが悪くて詰まらないでしょうか?あの番組は?

      大人数のメンバーを駆使しなければいけないライブもそうです。どこをフルハウスにしようと、一回も黒字になった事がありません。メディアのあっちこっちに出ているし、ブログにワインの写真が載っているだけで「さぞかし儲けているんだろう。くそう。くそう。くそう」と怨念をブチまけられる事も多々ありますが、ワタシがコスパ良く生きたら、今頃歌舞伎町ワンルームではなく、パリ郊外の城でしょう。嫉妬と憎悪と被害妄想の時代。ファシストの攻めどきです。

     ワタシの活動を逐一ご覧になっていて下されば、ワタシがアンチコスパ、反ファシズムである事はご理解頂けていると信じていたのですが、今回の動き(メルマガ)では、昔からのファンの方からさえも高い高いの大合唱(ワタシへ直接向けられた物が。です。下向いた独り言みたいなレベルだったらその10000倍あると推測しています)で、うわあこら重症だなあ世の中。と思うと同時に、とにかく変わらず見届けて頂くしか無いと思っています。

     
    菊地さま

     ご指摘頂いた通り、集約すれば「ニコ動っていうなんか得体の知れないものに金を払いたくない。」(キモイという感情は決してありません。見た目が良ければそれでかっこいいとかも。)というところからきているのだな、全ては。ということがわかりました。


      (中略/極めて個人的な記述があるので)

     えー、その上で、とにかくメルマガで何をしてくれるのか、どんなトンデモないものが飛び出すのかに期待して、楽しみにしていきます。恥ずかしながら朝に購入手続きしました。今回お時間割いて頂きありがとうござました!ではまた、ラジオなどで。
     

            *    *    *    *
     

     と、長々と読み終えてみれば、メールの往復によって、善良なファンの方を一人入会させた。という事になる。ややコスパ悪いと思う。

     私塾(ペン大)の理論初等科。今週は一日の休みも無く授業がある(先月まで大きなライブが続き、休講が増えたから)。テンションノートのカスタマイジングについて、シンプルなコード進行をどんどんリハーモナイゼーションしながら説明。

      我ながら説明が上手いわ〜とウットリしていると、寝ている生徒が3人ぐらいいる。私塾は社会人が多い夜学で(21〜23時でフタコマ)、皆さん疲れているのである。目を爛々と輝かせている学生と、気持ちよく寝ている(相当気持ち良いと思う。演奏と説明聴いて寝ているのだから)社会人が隣り合わせという光景はかなり素晴らしいと思う。 等とダブル自画自賛し、ロイホに行くも大した収穫なし。シャワー、、、と、一日を締めようとしていたら、いきなり「今週最もアガった」ことが勃発。こうして書いていてもイエアとしか言いようがない。

      それは深夜29時のこと。シャワーも浴びストレッチ&整体も済ませて、さてヴィクトリア・シークレット・パーフェクト・ブックを丁寧に読もうかな、アドリアナ・リマのヘソの辺りに、田舎の中学生の様にキスをするのだと、手に取って横になり、完全にリラックスしたまさにその瞬間、明日、ぴあが出す森田芳光監督の追悼ムック本でインタビューを受ける事をいきなり思い出し、「やっばいやばいやばいよー」と、出川哲朗そっくりの声(と顔)で低く(そして凄い早口で)叫びながらベッドから飛びのく。 しまった明後日だと思っていた。どうしよう。
      心拍数がご機嫌な感じで上昇するのを感じながら、PCで近所のTSUTAYAを検索する(こうした事は滅多にやらない)。

      すると、タクシーでワンメーターの場所に24時間店がある事が解り、急いで電話する。大体こういう時は天使みたいなのが出て来るもんなのだが、果たして与太郎みたいな店員さんが出て、「すぃあっせん現在の時間帯コンピューターの検索が出来なくなっておりますぅ」と言う(この時点で既にあらゆる事が最高)。

     
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