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ビュロ菊だより 第六号 菊地成孔の一週間
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ビュロ菊だより 第六号 菊地成孔の一週間

2012-11-23 10:00
    「菊地成孔の一週間 第六回/(笑)からwwwへの自己更新を再び目指しながら、MIXI日記とどこが違うのか?ちゅうか昔の自分の日記と何が違うのか?というかこれ本当にライブへの導引になるのか?咳のし過ぎで変なとこがマイルスみたいになってしまうのではないか?等々キワキワの自問を不断に繰り返しつつの11月も中旬」











     11月14日(水曜)



     美学校の高等科の授業。次回でラストなのでラス前という事になるが、2年間で予定していたカリキュラムは何とかこなす事が出来た。あまり大きな声では言えないのだが、ここなら1000人弱しか読者がいないし、課金で読んで下さっている方ばかりなので、結構ヤバい話も出来、、、と思ったら、これいきなり一日目なので、無料で見れるゾーンである事に気づき(笑)、どうしようかなと思いながら書いてしまうが、この仕事を始めて早くも11年目になるが(私塾を入れると16年)、高等終了までの2年間で、自分が組んだカリキュラムが十全に行渡った感があるのは今年がはじめてである。



     「良いのかソレでwww」というツッコミが入りそうだが、どうしても物足りない生徒は美学校卒業後に僕の私塾「ペン大」に編入して頂いているので、良い悪いで言えば良いのではあるが、とにかく美学校が、単純にバークリーと比べて4倍圧縮のスピードラーニンである事は確かで、大袈裟に言えば、僕はその事をこの10年間、常に頭の片隅に置いて生きている(一方、ペン大は卒業が無く、バークリー平均の逆4倍の、即ち拡張してゆーっくり進むので、覚えの良い生徒がイライラしたりする)。



     終了後すぐTBSに行って「粋な夜電波」収録。水曜の美学校終わりで収録するというのはシーズン1以来で、非常に懐かしい。生だゲストだ交通情報のアナウンサーと絡む(もう絡まないが)だリスナーからのお便りだと、僅か1年半でかなりAMオリエントな番組になっているが、最初は「どうせ誰も聴いちゃいないし、半年で終わる」と思って、何も気にせず好きに無茶苦茶にやっていたのである。そしたら何かの間違いで同時間帯1位になって、(僕を除く)関係者全員がちょっとおかしくなったのである(笑)。



     子役の親とかと一緒だ。と書こうとしたが(書いたが)、現代の子役の親は、もっとずっと投機的にレッスンとかに通わせて天才子役を作るので、昔と大分違う。とはいえ行く末は同じで、「将来が無茶苦茶にならない子役」の登場を、僕は結構むかしから待望している。芦田さんがそうなるのではないかと一瞬思いかけたのだが、ちと無理そうである。むしろそれだったらコドモの頃に幼児ポルノをやらされてい(自主規制)。



     収録は無事終わったが、咳がなかなか取れない。というか、咳だけ残って重傷化して来た。これが噂の「咳喘息(そのほとんどが、まず風邪をひいて、それが治った後に出るらしい)」なのだろうか。ヤケクソで近所のマクドナルドに行く。



     ここは職安通り沿いのサイゼリア(の、早朝4時頃)と並ぶ、激戦地の野営地で、泥土と血にまみれてボロボロになった兵士たちが、片手に口のケチャップを拭うティッシュを握りしめたまま、店内に土嚢の様にうず高く盛られ、うううーとか、あああああああとか呻いている。あまりの凄絶さに、戦場カメラマンと化して写真を撮るが、一枚も掲載出来ない。



     (日本で最初のマック、銀座一号店の開店日に並び、ニュース映像に映ってから幾星霜、現在は年間に3〜4回ぐらい、かなり荒れている時にしかマックに行かない僕ではあるが、マクドナルドの名誉の為に書かせて頂くとするならば、地獄の野営地じみているのは、僕が知る限り、ここーー新宿七丁目の信号角――だけである。他は夢の様に美しい、童話と美味しいファストフードの世界が虹と地平線まで一面に広がっていると信じる)。
     
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