2月12日(月)
 

昨年、湯山玲子さん主催の「東京のうた」に来て頂いた方にはもうユヤマンが言っちゃってるんで笑、書いても良いかと思うと同時に、やっぱ細かいこと何も書けないのだが(というか、あの時、ステロイドと熱さましと肺炎の炎症止めを投与して、マジ死にそうだったんで、コンディション不良をお詫び申し上ます。矢野さんのレコーディングと併せ)、ユヤマンの次なる大プロジェクトは「オーケストラとラッパーの共演」で、もうホールもオケも指揮者さんも押さえてあるようだ。
 

その打ち合わせをしたんだけれども、ユヤマンは僕より遥かにファンタジスタで、「オーケストラとラッパー。これ良いわ。やろうやろう」というぐらいの着想からことを進め、結果、大成功に導かせるすごい力を持っている(何も起こらないこともある笑)。あと、彼女には福の神みたいなところがあって、これも詳しくは書けないのだけれども、彼女自身が全く気が付いていないところで、周囲に大変な恩恵をもたらす力も持っている。
 

ただ、普通に考えて、オーケーストラ音楽(というか、「クラシックの名曲」をラッパーに選ばせて、ネタみたいに使う。という企画書なんだけれども)はダイナミックレンジが広すぎて、ラップを消したり出したり消したり出したりするのは目に見えているから、よっぽどミニマルな音楽でないとラップを安定的に聴かせるのは音響的に無理だ。


なのだが、前人未到というのは、こういう当たり前の予断など気にしない人物がやり遂げることで笑、ユヤマンは、ミニマル的なモンなんか考えていない、チャイコフスキーとかベートーヴェンとかマーラーとか、もう普通のダイナミックでドラマチックな名曲の力と、ラップのクールでイルな力の、文字通り力づくの結合を信じているのである。
 

とにかく試しに、僕がスタジオに入っていろいろな曲にあてがってみたんだが、やはり予想通り笑、ヒップホップのビートと交響楽はえらい違いで笑、オケが盛り上がったり、アクセントのでかいのを入れたら、ラップは消えてしまう笑。しかも、クラシック以外にはほとんどないクレッシェンド(だんだん盛り上がる)があるので、結果ラッパーは「ゆっくりと段々消されてしまう」危険がつきまとうのであった笑。
 

ただ、もう複数のラッパーに声は掛かっていて、あまつさえオーケーしている者もいるのだ(選曲も済んでいるらしい)。彼女は僕のちょっと年上なのだけれども、博徒としてのパワフルさは僕なんか及びもつかない。「太めの女性用のおしゃれブランドを立ち上げよう。これはいいぞ。やろうやろう」で立ち上げた「ojou」は年収億単位だ。彼女の賭けに僕は乗ることにした。ただ、相当な壁だ。