「読者の需要に応えるのがプロ作家の仕事だよ。僕はただ、読者のために書いてるだけ……みんなが求めているんだよ。二番煎じを、劣化コピーを、後追いを、便乗商法を、パクリを、トレスを、テンプレを、レプリカを、シェアワールドを、類似品を、粗悪品を……求めているのは、他でもない読者なんだ」

 物語を、進呈しよう。狂奔の物語を。喀血の物語を。天上至福の物語、そしてまた業火轟々と燃えさかる無間地獄の物語を。

 読者よ。よっく目をひらいて見てみてほしい。『ラノベのプロ!(2) 初週実売1100部の打ち切り作家』。これはひとつの絶頂を迎えているようにも、漸く斜陽を迎えているようにも見えるライトノベル業界を舞台に、幾人かの作家の苦闘を綴った作品である。

 テーマは「打ち切り」。そう、「シリーズ作品が途中で刊行を打ち切られること」を意味する「打ち切り」だ。前作の結末でひとつの契機を迎えた主人公とヒロインを横目