閉じる
閉じる
×
いろいろとせわしなく働くかたわら、小説を書いていました。われながら今回はいままでよりは出来がいいと思うので、ここに序章を載せておきます。これは完成させてどこかの新人賞に出すつもり。よければご一読ください。
『のらダンジョンを拾ったので愛情を込めて育ててみた』
序章
だんじょんです。ひろってください。
ひらひらと桜の花びらさながら降りしきる真白い粉雪のなか、歳の頃、十四、五歳と見えるひとりの可憐な〈少女〉が、そう記された木製の看板を片手に持ち、ある名も知れない街道の端の小さな四角いダンボール箱のなかに座っていた。
その箱には、この大陸の共通語とはまるで異なる奇妙な文字で、何か意味がわからない言葉が記されている。それは実は「和歌山みかん」と読むのだが、この世界にその文字を読める者はいないし、仮にいたとしてもここから始まる物語には一切の関係がない。
そもそもダンボール箱なるものじたい
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。