弱いなら弱いままで。
先日の合宿で大林宣彦監督の『野のなななのか』を流したところ、意外にもけっこうみんな熱心に見ていたので、きょうはこの作品の話をしようと思います。
おそらく以前にも書いたと思いますが、この映画は邦画の歴史に残る大傑作です。天才映画監督大林宣彦の長いフィルモグラフィのなかでも、最高傑作のひとつといっていいでしょう。
『ふたり』、『時をかける少女』などの傑作で知られる大林監督ですが、恐るべきは老齢になってなお新境地を更新しつづけていること。
かれにとっておそらく「最後から二番目の傑作」になると思われるこの作品は、その圧倒的な実験性と新鮮さで強く強く印象に残ります。
「なななのか」とは、七つの七日、つまり四十九日を意味しています。このタイトルが表しているように、ある老人の四十九日までの物語なのですが、いかにも地味に始まりながら、じっさい見てみるとこれがとんでもなくファンタジック。
いろい
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