弱いなら弱いままで。
ちょっと遅すぎる情報なのですが、去る11月14日、有料メルマガ刊行遅延で話題になった家入一真さんが「言い訳」と題する謝罪記事を書いたそうです。その内容がこちら(http://d.hatena.ne.jp/hagex/20121115/p10)で言及されています。
まあ内容を要約すると、鬱だったので書けませんでしたすいません、という身も蓋もないものになるようですが、謝罪することはしないよりもいいと思います。へたに開き直ったりすると、また炎上が続くからねー。
いやまあ、炎上してもいいやという覚悟があるならそれで良いんだけれど(良くないけれど)、家入さんはわりと気にするタイプだという気がするので、きちんと謝ったことは正しいと思います。あとはこのあときちんとメルマガを出しつづけるか、それとも有料制度そのものをやめてしまって無料にするかすればいいんじゃないでしょうか。
それにしても、こちら(http://fut573.com/wp/%E9%9B%91%E8%A8%98/blomaga/)とかこちら(http://fujipon.hatenablog.com/entry/2012/11/16/141541)でも書かれていますが、有料メルマガというシステムはかなりきついもののようです。
現状、じっさいに有料でメルマガを配信し続けているぼくが言うのもなんだけれど、気軽に手を出したりするべきじゃないかも。一度「このペースで刊行します」と言ったらその約束は守らなきゃいけないし、そうすると締め切り地獄に追いやられることにならないとも限りませんからね。
いやまあ、そういうお前はどうなんだと言われるかもしれないけれど、ぼくはそれなりに充実したメルマガ刊行ライフを送っていますよ。いまのところアウトプットがインプットを上回って発想が枯渇し記事がスカスカになるという心配はないと思う。
そもそも以前は無料でほぼ毎日記事を更新していたわけで、お金をもらって書けるいまは幸せです。それはたしかに時々、以前無料で書いていたブログ「Something Orange」の過去記事を流用したりもしているけれど、それでも基本的には毎日新しい記事を書いていますからね、いまのところネタ切れを起こして記事のクオリティが下がっているということはないと思う。
たしかに超気合の入った記事を毎日書き続けるということは無理だけれど、個人的には「Something Orange」のときよりいまの記事のほうが内容的に充実しているしおもしろいと思う。友人たちの評価もだいたいそんな感じ。
とはいえ、これがメンタルがきついときだと、とたんにネタを思いつかなくなるんですね。調子がいいときはほとんど無限に言葉を生み出せる気がするんですけれど、そうじゃないとき、家入さんじゃないけれど鬱になっているときは何も書けないものなのです。
でも、そう言いながらじっさいには書いているけれどね! 過去を振り返っても2日以上連続して休んでいる日はないわけで、どんなに精神的にきつい日でもちゃんと書いているわけですよ。それはもうふしぎなくらい。
こういうことを書くのは、べつにそういう自分が偉いと言いたいのではなく(ちょっと言いたいけれどw)、そういう真似ができる人間、ないし自分がトラブルでも配信が続くシステムを生み出せた人間だけが有料メルマガに向いているということです。
トラブルは起こるものなんです。1年、2年というペースでメルマガを出していたら、調子が悪いときは必ずある。でも、お金をもらうからにはそれでもメールは配信しつづける必要がある。親が死んでも書けとまでは言わないけれど、でも個人的に気分が乗らないから書けませんでしたということは基本的には通用しない世界だと考える必要があります。
もしそういう配信形態を望むひとは初めから「不定期配信」を謳ってひとを集めるべきですよね。それでも毎月お金をもらう以上は、一ヶ月以上出せませんでした、ということは通用しないとは思いますけれど。
とにかくお金をもらう以上は、一応も二応もプロフェッショナルであるわけです。たとえそれが105円とか315円とか、そういう少額であってもね。特にぼくたち日本人はコンビニやマクドナルドの店員にすら徹底したプロフェッショナリズムを求める国民ですから、メルマガを刊行している人にだけ甘いなんてことはありえない。
まあ、メルマガを買うひとはそのひとのファンである可能性が高いから、ある程度の逸脱は大目に見てくれるかもしれないけれど、でも、熱心なファンほどいったん失望したらそのひとを非難し、追求するものです。当然ながら自分がした約束は守る必要がある。
以前にも書いたけれど、これはある意味で雑誌の締め切りなどより厳しいシステムかもしれません。「自分」と「読者」が直接に繋がっているぶん、自分がサボればそれはストレートに読者に影響を与えてしまうわけですから。
だからあまり甘い覚悟で有料メルマガに手を出すとやけどするということは本当です。たしかに読者から集めたお金の6割とか7割が手もとに入っている有料メルマガのシステムは「おいしい」ように見えます。一定以上の知名度とファンを抱えている有名人ならなおさらおいしい商売だと思うことでしょう。
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