有川浩の人気が凄まじい。『空飛ぶ広報室』がドラマ化、『県庁おもてなし課』が映画化、『図書館戦争』がやはり映画化と、このところ作品の映像化が相次いでいる。また、過去にもアニメ、ドラマ、映画になった作品は数多い。世間的には映像化作品が多い人気作家といえば東野圭吾なのかもしれないが、いまとなっては有川浩も負けていないだろう。
弱いなら弱いままで。
有川浩の人気が凄まじい。『空飛ぶ広報室』がドラマ化、『県庁おもてなし課』が映画化、『図書館戦争』がやはり映画化と、このところ作品の映像化が相次いでいる。また、過去にもアニメ、ドラマ、映画になった作品は数多い。世間的には映像化作品が多い人気作家といえば東野圭吾なのかもしれないが、いまとなっては有川浩も負けていないだろう。
有川浩の人気が凄まじい。『空飛ぶ広報室』がドラマ化、『県庁おもてなし課』が映画化、『図書館戦争』がやはり映画化と、このところ作品の映像化が相次いでいる。また、過去にもアニメ、ドラマ、映画になった作品は数多い。世間的には映像化作品が多い人気作家といえば東野圭吾なのかもしれないが、いまとなっては有川浩も負けていないだろう。
有川の作品の魅力はどこにあるのか。もちろん、ひとことで語れるはずもないが、ぼくが考える有川浩の最大の魅力とは読後感の爽やかさである。
短編には苦い味をのこすものもあるが、有川の長編はたいてい絵に描いたようなハッピーエンドで、非常に爽快な気分で読み終えることができる。だから読者は次も彼女が綴る物語を読みたいと思う。それこそ有川浩の人気の秘密なのではないだろうか。
有川の描く小説はどこまでも娯楽に徹している。代表作のひとつ『シアター!』(早く最終巻が出ないだろうか)を読めばわかるように、彼女は「エンターテインメントである」ということに至上の価値を見出しているようだ。自分の作品をプロフェッショナルとして対価を得られるものに仕上げていくこと。それが有川浩のプライドなのかもしれない。
それにしても、有川の作品のようなハッピーエンド志向で、娯楽に徹しきった小説は、昨今、あまり見かけないような気がする。だからこそ有川の存在が目立つわけだ。
もちろん、日本の小説界は広いから、まったくないなどということはありえないが、最近では(あるいは最近に限らないかもしれない)何らかの苦味、「毒」を感じさせる作品のほうが高く評価されているのではないだろうか。
偏見かもしれないが、どこかの小説専門誌で「ハッピーエンドの価値」について力説したところで、笑殺されてしまいそうな印象がぼくにはある。小説とはもっと高尚なもので、「読者を気分よく物語から帰還させること」など、せいぜい二次的な価値しか持っていないといわれそうだ。
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