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なんてなつかしい。これも歴史に名前をのこすところまでいけなかったライトノベルのひとつですね。この当時はまだライトノベルという言葉は一般的ではなくて、ヤングアダルト小説とか云っていたわけですが。
まあ、歴史にのこるほどの名作ではなかったと云えばそれまでなんですが、この時代の雰囲気を色濃く伝えるところがあって、ぼくは案外きらいではありません。
内容は――忘れた。きらいではないとか云いつつ完全に忘れ去っているあたり、やはりそれだけの作品なんでしょう。
砂漠の国々を舞台にしたふたりの英雄の対決の話だったことは憶えているんだけれど細かい内容はすべて忘却の霧の彼方。いま思うとフランク・ハーバートの『デューン砂の惑星』の影響を受けていたのかな、と思いますが。
ちなみにこのシリーズ、全50巻を企画して書かれはじめて5巻で終わりました(笑)。「(笑)」とか付けるとひどいけれど、まあちょっと笑ってしまうよね。企画の十分の一しか満了できなかったわけだもんなあ。
で、まあ、ライトノベルとしてはそこで終わりだったのですが、それからずっとあとの2004年になって、児童文学ふうのハードカバーになってふたたびシリーズが開始します。
なぜかこっちも手もとにあるのですが、帯には「構想20年。広井王子の原点であるあの名作を新たに書き下ろしたファンタジー大作の決定版!!」と書かれている。
構想20年か、と目が遠くなってしまいますが、この手の構想ばかり長い作品は時代に合わなくなっている可能性が高いという非情な現実があったりします。
70年代から80年代あたりには、笠井潔が「大海小説」と名付けたような超長編小説シリーズがいくつか登場しています。しかし、それもほとんど挫折しているようなんですね。
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