一言で言えば、圧倒的だった。『ガンダムU.C.』はロボットアニメをあまり観てない俺にも明らかに凄いとわかるアニメだった。その一本だけで、漠然とロボットアニメと思っていたものが完全に塗り替えられたと言っていい。俺は今日までロボットアニメを何も知らなかったのだ。『俺の教室にハルヒはいない』
弱いなら弱いままで。
その道ひとすじの老舗の頑固オヤジがつくった『ガンダム』。(2407文字)
そういうわけで、いままであまり興味もなかったので避けていた『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の第1巻を観ました。
宇宙世紀(U.C.)を舞台とした『ガンダム』シリーズの最新作にあたる作品で、映画『逆襲のシャア』の3年後を舞台にしています。
そのため『機動戦士ガンダム』及び『逆襲のシャア』を観ていないひとにとってはおそらく何が何だかわからないであろうお話となっていますが、逆に云えば知っているひとにはたまらない作品でしょう。
『俺の教室にハルヒはいない』の主人公は、日本屈指のガンダムオタクたちに囲まれて一々説明されながらこのアニメを観るのですが、そういう観方をしたらさぞおもしろいだろうと思う。
まさに『ガンダム』らしい『ガンダム』そのものというべきアニメです。
そのプロットはいたってシンプルかつストレート。何しろ空から女の子が降ってくるくらい。
『ラピュタ』かよ、とつい突っ込んでしまうわけですが、おそらくこの物語の目的は善悪では測れない戦争の現実を描くあまり、複雑怪奇になってしまった『ガンダム』をもう一度整理し、原点回帰し、わかりやすいエンターテインメントとして提示するところにあるのでしょう。
じっさい、バックグラウンドの膨大な情報量にもかかわらず、お話そのものはものすごくわかりやすい。
空から降ってきた女の子を助けようとした主人公がガンダムを手に入れて敵をやっつける話、ですからね。
この主人公のバナージくん、どこかの碇シンジみたいに「ガンダムになんて乗りたくない!」とは云い出さず、いたって素直に行動するので、物語は隘路に迷い込まず、まっすぐ進んでいきます。
ただ、あまりに素直すぎるので、いったいかれが何を考えて謎の少女オードリーに肩入れし、彼女を助けようとするのかさっぱりわかりません。
そんなに簡単に兵器を持ちだして戦争に介入していいんだろうか?という気がしなくもない。まあ、それは尺が限られているせいなんだろうけれど。
その他にもすべてがどこかで観たような場面、展開、台詞で、新鮮味はまったくありません。いかにも『ガンダム』らしい『ガンダム』という感じ。それひとすじの老舗の頑固オヤジがつくった『ガンダム』とうか。
うまく使えば連邦の支配体制をひっくり返せるという「ラプラスの箱」なるアイテムも出てくるのですが、あからさまなマクガフィン(物語を進めるための小道具)で、あまり興味をそそらない。
この作品ならではの新味とかオリジナリティを求めるなら落第点の作品でしょう。
しかし、それならおもしろくないのかと云えば、じっさいこれがおもしろい。Amazonを見ていくと
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