はたらく魔王さま! (1) (初回生産仕様:和ケ原聡司書き下ろし小説(250ページ超)同梱) [Blu-ray]

 今月のアニメ消化ノルマをこなすべく『はたらく魔王さま!』を第5話まで観ました。

 ほんとうはこうやって義務的に観ることは良くないのかもしれないけれど、観たら観たで楽しめるからまあいいかと。

 最新の作品を観ても何がおもしろいのかさっぱりわからなくなったらぼくの感性もおしまいです。

 今年でもう35歳になるわけで、いいかげん最新のアニメとかライトノベルのおもしろさがわからなくなってきそうなものですが、じっさい観たら楽しめるので安心しています。

 もちろんさっぱりおもしろくないものもあるけれど、そういうものはやっぱり人気ないからな……。

 さて、『はたらく魔王さま!』の話。「日常と非日常の接地」という文脈で観ようかなと思った作品なのですが、予想以上に良い出来した。

 原作は未読なのだけれど、たぶんそっちもおもしろいのでしょう。

 異世界から魔王と勇者がやって来てファーストフード店やコールセンターに務めることになる――というあらすじだけを取れば、「小説家になろう」あたりにもありそうなごく平凡な筋書きなのだけれど、ちょっとびっくりするくらい楽しい。

 これは何がおもしろいんだろう? うーん、よくわからない。

 非日常的な世界からやって来たヒーローがあたりまえの日常に遭遇して騒動をひき起こす、というプロットそのもののおもしろさではないでしょう。

 それはようするに『フルメタル・パニック!』とか、漫画『JESUS』の系譜で、それほど目新しいものではない。むしろこの手のコメディの定石と云ってもいいかも。

 ただ、この『魔王さま!』の場合、やむを得ずこの世界を訪れた魔王があっというまに順応して笹塚のマックのバイトリーダーになってしまうのですね。そこが新機軸といえばそうかもしれない。

 そういう意味ではたしかにこの作品の魅力の質は『フルメタル・パニック!』とは違っている。

 つまり「どうしても普通の日常に馴染めないひとの滑稽さを笑う話」ではなく、「ほんとうはそうできないはずなのに、あっさり日常に馴染んでしまうひとの奇妙さをほほえましく見つめる話」なのだと思う。

 ここ十数年、