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 しばらく前に初音ミクのジグソーパズル(300ピース)を買ったのだけれど、なかなかやる機会がありません。

 まずはケースを買わないと始められないな、と思うのですが。

 ぼくは以前から初音ミクが象徴するボカロ(ボーカロイド)文化に興味を抱いていて、ちょっとふれてみたいな、という気はあるのですが、どこから手を出したらいいのかわからなくて放置しています。

 ニコニコ動画でミクさんの動画をいくつか見てみたのだけれど、それだけではボカロ王国の門のなかに入ったともいえないのではないでしょうか。

 じっさいにいくつか聞いてみた感想といえば、センチメンタルな歌詞が多いかな、という程度。

 もちろん、それもボカロの表面をさらっと撫ぜたような評価に過ぎないのでしょう。

 なぜいまさらボカロに興味を持つのか?

 それはやはりボカロが若い世代を象徴するカルチャーであるように思われるからです。

 ぼくがしっている文化とはまた違うテン年代の若者たちの文化。

 おお何か面白そう、わけわからなさそう、変な人がいっぱいいそう、ということでわくわくするのですが、でも、どこから手をつけたらいいかわからないんですよね。

 まずは読みさしの『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』を読み終えなくてはならないのかもしれません。

 それとも、もっとニコニコにアップされている動画を見て行くか――ぼくは初期のボカロはあまり受け付けなかったひとなのですが、最近上がっている曲の数々は素直に「ええなー」と思います。

 技術が向上しているのか、こなれてきているのか? いや、ぼくがボカロに慣れただけかもしれません。

 それにしても、ボカロ文化はいま、若者層において非常にメジャーなものなのでしょう。

 ただ単にボカロそのものだけではなく、その周辺文化もすごい勢いで拡大していっているようです。

 先日書店の店頭でぶらぶらしていたところ、ボカロ小説として有名な『カゲロウデイズ』がたくさん平積みされていて、780万部と書かれていました。

 は?

 既刊わずか6巻で780万部?

 それがほんとうならいまのライトノベルで最も売れている『ソードアート・オンライン』を大きく上回る数字ですし、おそらくライトノベル史上でもここまで売れた作品はないはず。

 『ロードス島戦記』の全盛期でも敵わないんじゃないかな。

 うーん、ちょっと信じられないような数字なのですが、でも、まさか出版社がウソをつくはずはないから、事実なのでしょう。

 ことほどさようにボカロ文化は若者層にとってメジャーだということなのでしょうね。凄いなあ。

 年長の世代から見れば時にイミフとも思える作品なり文化が、若者の熱い支持を得てメジャーになっていく。

 いつの時代もくり返されて来たことではありますが、ボカロ小説もまたそういうもののひとつなのかもしれません。

 いや、もちろん、ボカロを支持する「大人」はたくさんいるけれど、それにしたってボカロ小説はやはり若者文化でしょう。

 ぼくはいままでボカロこそある程度しっていても、ボカロ小説については???な状態でした。

 いわばまったくのノーマーク。その上でただ遠巻きに眺めているだけだったのですが、これくらいはっきり数字になって出て来ると興味が湧いてきます。

 うーむ、とりあえず「カゲロウプロジェクト」から入ってみるとするか。

 実は『カゲロウデイズ』は2年近くまえにKindleで買ってあったりするのですが――買っただけで、読んでいなかったのですね。

 ちなみに、ボカロ小説とその背景についてはこの記事がわかりやすいです。


 こういう内容を読むと、「オタク」という括りは、ほんとうに何の意味もなくなってしまったんだなあ、と感慨深い。

 おそらくはご存知かと思いますが、初音ミクは一見してそう見えるようなオタクのアイドルでも何でもないのですね。もっと普遍的な存在だと捉えるべきなのでしょう。

 この先、「ゆるいオタク」が増えていくことを見越して「ゆるオタ残念教養講座」と題したこのチャンネルのコンセプトも、どうやらもう古くなりすぎているようです。

 だからといって、「次」の世代を指すネーミングはまだ存在しないので、どうしようもないのだけれど。

 現時点でおぼろげに感じるのは、