弱いなら弱いままで。
「あいまいな夢」を分解して「ほんとうの望み」にたどり着こう。
あなたは何のために生きているのか?
こう問われて、即座に答えられるひとも少ないだろう。
べつに人生に「目標」なんていらないし、ただ何となく生きていることも悪くない。
しかし、何かしら目標を設定しないと、日々が空虚に感じられることもたしかだ。
少なくともぼくはただ何となく生きられるほどに悟っていない。
そこで人生に仮初めの目標を設定することになるのだが、その時、重要なのはその目標がほんとうに正しく自分の願いを反映しているかどうかだ。
目標設定を誤ると、いくら努力しても正しい到達点にたどり着けない。
たとえば、ほんとうの願いが「社会的に成功してひとにちやほやされたい」なのに「ライトノベル作家になりたい」という目標を設定してしまったら、それは誤った目標設定ということになる。
ライトノベル作家になる以外にも成功してちやほやされる方法はいくらでもあるのに、自分の可能性を自ら限定してしまうことになるからだ。
この「深層の望み」と「表層の目標」の乖離が往々にしてひとを苦しめるなあ、と思うのだ。
たとえば「アイドルと結婚したい」という目標を立てているひとがいるとしよう。
これは、常識的に考えてほとんど不可能に近い願いである。
完全に不可能とまでは行かないかもしれないが、非常にむずかしい目標であるとはいえるだろう。
こういう目標を設定して、「どうせおれの目標は叶わないんだ。努力なんてしても無駄だ」などといじけてしまうと、とたんに人生は不幸になる。
それでは、どうすればいいのか?
そのひとはなぜ自分が「アイドルと結婚したい」と考えたのか、分析し、その欲望を解体してみるべきなのだ。
どうしてアイドルと結婚したいのか?
ひとつ考えられるのは、たとえば「とびきり可愛い容姿の女の子と結婚したい」という「深層の望み」が存在することだ。
ほんとうは可愛い女の子であればアイドルでなくても良いのに、いつのまにかそこのところをアイドルとすり替えてしまっているわけである。
あるいは、社会的に美人だと認められる女性と結婚して周囲から妬まれたいということも考えられる。ほかにもいくつか可能性はあるだろう。
こういう「深層の望み」は、しばしば身も蓋もないものだったりする。
しかし、自分がそういう「深層の望み」を抱えていることを自覚しないと、いつまで経っても先へ進めない。
仮に奇跡的に「表層の目標」が叶ってもまったく満足できない、ということすらありえる。
将来の目標として声優になりたいとか、作家になりたいというひとはたくさんいる。いわゆる「ワナビ」だ。
そういうひとたちはほんとうに声優になりたいのか、作家になりたいのか、深く考えてみるべきだろう。
仮にほんとうにそうだとして、なぜそうなのか。その点が重要である。
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