弱いなら弱いままで。
ペトロニウスさんが『響け! ユーフォニアム』の記事を上げていますね。
で、ぼく、これを読んでびっくりしたのだけれど、『ユーフォ』のキャラクターデザインって、『青春しょんぼりクラブ』の作者さんなんですね……。
いやー、いまさら何をいっているんだお前はといわれるかもしれないけれど、ぼくのなかでこのふたつの名前は結びついていなかった。
アサダニッキってどこかで聞いた名前だとは思っていたんだけれども。
予想外のところで色々関係が繋がっているものだなあ、とあらためて感嘆。
いや、ぼくの予想が貧弱なだけかもしれませんが、それにしてもね。
ぼくはそんなにアニメを見る人ではないのですが、『ユーフォ』は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか』と並んで、ここ最近見たもののなかでは収穫といえる秀作だと思います。
何か異常な熱気があるというわけではないかもしれないけれど、とにかくていねいに脚本が組まれていて、作画も綺麗にまとまっている。
『けいおん!』以降の青春ものアニメとして、最高の作品といっていいのではないでしょうか?
青春の光と闇、栄光と挫折を、非常に美しく描いているように思えます。
ひと言でいうと「やる気のない人間がやる気を出すまでのお話」なので、気に食わない人もいることでしょう。
しかし、どこまでも続く永遠の日常もさすがに苦しく思えて来ている昨今、その突破を目ざす作例のひとつとして本作は記憶されてもいいと思います。
なんといっても、圧倒的に出来がいい。
コメディにも依らずシリアスにも依らず、しかし全体的にはきわめて感動的に演出された物語は、まさに「さすが京都アニメーション!」といいたくなるクオリティです。
特に後半の盛り上がりは素晴らしく、パーフェクトではないにしても、限りなくそれに近い作品といってもいいでしょう。
しかし――そこにひとつだけ瑕疵があるように見えることもたしか。
これは以前、友人たちと話をした時もその話題になったことですが、ほとんど完璧に組まれているように見えるこの物語の唯一といっていい問題点が滝先生の描写だと思うんですよ。
かれがどういう動機でもって吹奏楽部の生徒たちを指導しようとしていて、それにどこまでの正当性があるのか、その点がいまひとつあきらかになっていない。
もちろん、かれ個人の内面では正当性がある話なのだろうけれど、客観的に見ればそうでもないわけで、その問題点が突き詰められずに終わっているところが隔靴掻痒の印象を残す。
当然、制作スタッフはその点に気付かなかったわけではなく、検討の結果、そこは描かないと決めたのだと思います。
あるいは
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