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田中芳樹『銀河英雄伝説』が藤崎竜の手で漫画化されるそうですね。
日本を代表するスペースオペラの名作を『封神演義』の作家が手がける。
期待は高まるばかりですが、さて、どんな出来になることやら。
ぼくは25年来の田中芳樹読者にして、『PSYCHO+』からのフジリューファンなので、どういった仕上がりでも受け止める覚悟はできています。どんと来い。
それにしても、『アルスラーン戦記』の漫画化&アニメ化といい、往年の田中芳樹作品の再ブームがいままさに来ていますねー。
30年前の作品がいま最先端のエンターテインメントとして堂々と通用してしまうその普遍性の高さには驚かされるばかり。
『アルスラーン』にしろ『銀英伝』にしろ、ちょっと意匠(キャラクターデザインとか)を変えただけで十分に現代の作品として読まれてしまうんだよなあ。
ここらへん、5年も経つと時代遅れになってしまう傾向がある一般のライトノベルとは格が違うかも。
まあ、『アルスラーン』はともかく、『銀英伝』はさすがにSF設定等々が古びてしまっていると思うので、そこらへん、適当にリファインして「いままで見たことがない『銀英伝』」を見せてほしいところです。
この小説はすでに再来年にふたたびアニメ化することも決まっていて、そちらのほうも気になります。うーん、凄いなあ。
いまさらいうまでもないことですが、『銀英伝』は一度、道原かつみさんの手で漫画化されています。
こちらも出来は良いのですが、何しろ遅筆寡作の方なので、『銀英伝』のような大長編を手掛けることに無理がありました。
その点、フジリューさんには『封神演義』や『屍鬼』を完結させてきた実績があるので、最後まで描き切れるのではないでしょうか。
SF的なセンスもちゃんと持ち合わせている作家さんだしなあ。
意外な組み合わせながらけっこういけるんじゃないかと推測。
だれがマッチングしたのか知らないけれど、偉い偉い。
あとは思想的なところをどう演出しなおすかですね。
30年前とはやっぱり政治状況が異なっているわけで、そのままの展開をすると古びて見えると思う。
少なくとも民主主義のシステムを至上視し、そのために血を流すヤン・ウェンリーはより悪役っぽく見えて来るのではないか。
まあ、それはそれで一興ですし、原作にたびたびの再解釈を許す奥深さがあるからこそいまなお極上のエンターテインメントとして通用しているということもいえるでしょうが。
いや、なんといっても
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