弱いなら弱いままで。
新しい『スター・ウォーズ』を目撃した。
いまさらですが、『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』を見て来ました。
ぼくはさほど『スター・ウォーズ』に深い思い入れがある人ではないのですが、とても面白かったです。
さすがJ・J・エイブラムス、隙のない仕事をしてくれたと思います。
まあ、そうはいっても、かつてのエピソード4をなぞる形で全編にわたってかなり強引なご都合主義が続き、特にクライマックスなどはちょっと笑っちゃうような無茶な展開になっているのですが、そんなところに文句を付ける人はそもそもいまになって『スター・ウォーズ』を見に来ないですよね。
あの展開は『スター・ウォーズ』の伝統なのだからそれでいいのでしょう。ファースト・オーダー、もっとちゃんと警備しろよと思うけれど。
それにしても、三作の前日譚を経ているとはいえ、数十年ぶりの『スター・ウォーズ』の正統続編です。
少しでも狙いを外したら非難轟轟になりそうなところですが、ほんとうによい作品に仕上がったと思います。
なんといっても印象的なのは、女性と黒人男性というコンビが堂々と主役を張っていることですね。
おまけにレイア姫はレイア将軍になって戦いを続けているし、『エピソード4』の頃にはまずありえなかったであろう描写に胸が熱くなります。
特に今回、初登場となるストームトルーパー出身のフィン。
本来、「何者でもない」身分で、善と悪の壮大な神話的闘争になど参加するべくもないわき役であるはずのかれが、「正しいことがしたい」といってその運命を拒み、主役級の活躍を続けるあたりには感動させられます。
新世代の『スター・ウォーズ』の中心人物が、神に選ばれたフォースの英雄ではなく、ごくありふれた凡人のフィンであるところに制作スタッフの意図を感じたいところです。
ここらへんの、限りなく現代的なキャスティングのセンスが、この映画を、いま見られ、語られるにふさわしい作品にしているといえるでしょう。
時代は変わっているのだなあと強く実感させられる話です。
しかも、この社会的多様性の作品への反映が、ただ単に教条的目的から導入されているわけではなく、物語をより面白くするための必然として組み込まれていることがあきらかなところが素晴らしい。
多様なキャラクターを導入することによって、『スター・ウォーズ』はピュアな白人男性主導の物語よりも面白くなったと思います。いろいろな意味で素晴らしいことですね。
とはいえ、
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