編集部より)新連載『日刊ガケ書房』はじまりました。京都にある人気書店『ガケ書房』の店主である山下賢二さんに、おすすめ本、気になる雑貨、ガケ書房の日常、などを紹介してもらいます。
■「なんとなく、クリティック2」(なんとなく、クリティック編集部)
サブカルは、サブカルチャーと同義語か?
最初に言わせてください。
「ガケ書房はサブカル書店ではありません。」
外観やらHPの感じやら表層的なイメージで、サブカル専門店みたいな
扱いをされることが多いのですが、やっている者の意識としては、究極
の普通の町の本屋を営んでいるつもりです。お越しいただければ、わかる
通り、ほぼオールジャンルの本を置いています。いわゆるサブカルコーナー
は、はしっこのほんの一コーナーのみ。イメージとは怖いものです。
来てみて「やっぱりサブカルじゃん」と感じられる方は、もしかしたら
知らない情報・マイナーな情報=サブカルという風に考える方なのかもしれませんが。
と、いきなりクドクド書きましたが・・・人が勝手に名付けた手垢のついた
ジャンル分けに、当事者たちはいつの時代も属している意識はないし、自分が
あてがわれてしまったジャンル名を享受する人もあまりいません。享受する人は、
多分、当事者にみえて実は部外者か後追いの人たちかもしれません。
あえて自覚的に80年代サブカルチャー的姿勢を標榜するこの入魂の冊子第2号。
タイトルは、もちろん田中康夫「なんとなく、クリスタル」から引用です。
巻頭特集は、ガケ書房とも親交深い前野健太氏ですが、今回は、雑誌『クイック
ジャパン』の元・編集長、赤田祐一氏・森山裕之氏、磯辺涼氏、森田真規氏による
サブカルチャー鼎談に反応。
ここでも元・両編集長のお二人のスタンスは、サブカルという言葉自体を客観視
しています。むしろ拒否しているように。編集長の変遷とともに、誌面イメージ
を変えて来たクイックジャパン。ネットとの競争、メジャー/マイナーの境界線、
かつてサブカルチャーと呼ばれたものとの距離、個人的興味などが語られています。
初代編集長・赤田氏が昔、言われたという「何でお前の作る本は古本屋に売ってるような
テーマばかりなんだ?」というのは、サブカルチャーの純度を高めれば高めるほど
符号していってしまう言葉だと思う。
(『ガケ書房』店主 山下賢二)
●この本について
書名:なんとなく、クリティック2
出版社:なんとなく、クリティック編集部
ガケ書房商品販売ページ:http://gake.shop-pro.jp/?pid=72511862
●『ガケ書房』について
店名:ガケ書房
所在地:〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33
電話:075-724-0071
ウェブサイト:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/
ここにはその目的の本はありません。
しかし目的外の面白い本があります。
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