現在5/15 AM2:59。

に、この文章を書き出しています。

今日は若干のアルコールが僕の頭や心に影響していると言う事です。

その中でも、お酒について① と、今回で終わらず次回があるようなタイトルにした僕はそれほど酔ってはいないと思います。

到底一回やそこらで書けるものではないなと感じておるからです。

元来、生来、僕はお酒と言うものが、あまり好きではありませんでした。

殆どの子供達はそうかもしれません。日中あんなにも紳士的だった大人達はお酒が入るやいなや、突如として輩のように僕に食ってかかるからです。または面倒くさくなります。彼ら(酔ってる人達)が笑えば笑うほど、僕の心は醒めて行きました。人から理性を奪うあんな液体は毒水だと思っておりました。

そんな少年時代。

時は経ちます。

初めてお酒を美味しいかもと思ったのは、高校生の頃に通わせてもらっていた英会話学校のパーティに出席した時でした。

エビスビールは旨い、と思いました。

アルコールを通常摂取していない若者の胃袋にとっては、あの芳醇なホップの香りや濃厚な実味が大変美味しく感じた事でしょう。

それでも「ああ僕もビールは飲めるな」位の認識でした。

時は経ちます。

実家を出て、バンド活動を本格的に始めた頃。

強いお酒の飲んで喉をつぶせばカートコバーンみたいな声になれるんじゃないか、と思いがぶがぶと飲んだジャックダニエルズ(テネシーウィスキーですね)とアーリータイムズ(バーボンですね)。

まさに薬として飲んでいたので、たいしてそれに依存する事も無く、ただただロック的なポーズとタナトス的な願望に沿って飲んでおりました。

時は経ちます。

上京して、おそらく当時の二十代前半の若者にしてはまずまずのプレッシャーを感じていた頃。

あまりお酒は飲みませんでした。その代わりゲームをしておりました。上手く使えばゲームはお酒くらい己を酔わす良薬になり得ます。

時は経ちます。

shame(僕の初めてのバンド)解散後しばらくして、急にお酒に興味を持ち始めます。きっかけは「レモンハート」という漫画と、数年前に買った「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」という村上春樹氏の本。

ウイスキーは面白いらしいぞ、と。

近くの駅にあるバーを巡りました。

(スコッチ)ウィスキーは味も強く風味も解りやすく、有名どころに限って言えば200も覚えれば蒸留所もほぼ網羅でき(かの村上春樹氏も愛好するアイラ島に限っていえば、当時稼働していた蒸留所は十にも満たなかったような。ちなみに僕の最終的なお気に入りはアードベックです)、東京の片隅のバーで杯を傾けながら己を顧みるのにはうってつけのお酒だったかもしれません。

現在東京渋谷でBAR reloveを経営している友達、山崎くんも良く付き合ってくれました。

ウイスキーは内省や、自己陶酔に向いているお酒だと(飽くまで個人的に)思います。

「じゃあ、皆でウイスキーでも飲んで、ぱあ〜っと!!」

とは、なかなか、なりません。

一口飲んで

「うむむむむむ」

これが僕にとってのウイスキーです。または一口飲んで

「んむひょっほーっほい」

これもウイスキーの一つの形だと思います。自己陶酔の極みに達する例もあるにはあるのです。

ただ自開的なお酒では(少なくともここ日本では)ないような気がします。


ではこのとりとめも無い文章の最後に僕が一番美味しかったウィスキーの話を。

当時、物心ついて以来の苦境にあると感じていた(そして今でもそう思っている)当時、

救いを求めるように入ったバーで注文した

「オスロスク(シングルトン)」

なんだか魂に染み渡るような滋味がありました。そして焼きたてのパンのような優しい香り。

「なんだか美味しいパンの様な香りがしますね」と僕。

「そうですか。そう言われてみれば」とバーテンダーさん。

何故だかその瞬間から深い闇を開く一条の光が射したように感じたのです。

ああかくも不可思議なのはアルコール、すなわちお酒の魅せる夢。

次回の更新を、(ほどほどに)お楽しみに〜! かんらかんら。もうちょっと飲みたい。