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堀口恭司戦のアピールをしていた水垣偉弥のRIZIN参戦が発表された。対戦相手はRIZINの門番、日本人の壁とも言えるマネル・ケイプ。さっそく意気込みを伺った。




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水垣選手、先日は堀口恭司vsコールドウェルの分析記事ありがとうございました。かなり反響がありました!

【堀口vsDC徹底解説】コールドウェルはなぜパウンドを打てなかったのか?■水垣偉弥
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1775901

水垣
 評判がよくてホッとしました(笑)。

――
あの記事の中で打倒・堀口恭司を表明しましたけど、その堀口選手がいるRIZIN参戦が決定しましたね。

水垣
 はい。相手は堀口選手ではないんですけどね(笑)。

――
マネル・ケイプ戦ですね。この試合も注目の一戦というか。

水垣
 ボクの年齢も年齢ですし、堀口選手と一発目からやりたいという気持ちはあったんですけど、そこはRIZINさんの判断ということで。いまはRIZINからMMAを見始めてた方も多いでしょうし、そういう新しいファンにまずインパクトを残したほうがいいというRIZINさんの考えがあったのかもしれないので。この試合に勝ってしっかり実力を示したいなという気持ちです。順番を踏んで打倒・堀口を狙っていきたいですね。

――
水垣選手はUFCで14戦したあとロシアのACBで3試合されて、その次に中国のレベルFCと契約を結びましたよね。

水垣
 そこでは試合が結局できなかったんですよね(苦笑)。 何度か延期が続いてしまって……。

――
あのときはどういう心境だったんですか?

水垣
 いやあ、格闘技をやっていて精神的に一番キツかったかもしれないですね……。 試合に負けることは当然キツイですけど、それはまあ自分のせいじゃないですか。その団体に上がると決めたのも自分ではあるんですけど、大会延期は自分の力ではどうしようもできないですからね。 そのもどかしさみたいなものがあって。試合1週間前になって2週間後に延期、それでまた2週間後に延期と……いうのが3回くらい続いて。そのあいだずっと体調を管理してないといけないじゃないですか。

――
それは精神的にも身体的にも過酷ですねぇ。

水垣
 「試合はない」と言われたほうがまだマシですよね。最終的に「今年は無理だから来年やる」ということで契約解除もしてくれなくて、打つ手がなしという状態で困ってたんです。 

――
今年5月にDEEPで試合(昇侍戦)をされましたよね。

水垣
 結局今年もレベルFCで試合がなくて4月に契約が切れて。別のところで戦うことを考えたんですけど、急なことなのでなかなかいい話ってなかったですよね。このままだと格闘技はもういいかな……っていう感じにもなりかねないので、とにかく試合がやりたかったんですけど。

――
気持ちが切れちゃいますもんね。

水垣 そんなときに手を挙げてくれたのがDEEPの佐伯さんだったんです。1試合だけでもいいよ、と。いまそういう対応してくれる団体って少ないじゃないですか。試合を組んでくれたことは本当にありがたかったです。

――
あの試合は水垣選手と格闘技を繋ぎ止める試合でもあったんですね。

水垣
 そうなりますね。佐伯さんには感謝しています。

――
DEEPはRIZINとの関係性が強いですけど、この試合の先にRIZINを見据えていたわけではないんですか?

水垣
 ボクの中ではそこまで考えてなかったですね。とにかく試合がやりたいという気持ちだけで。 もしかしたらシュウ(・ヒラタ/マネジメント)さんの中には、こういった先の展開もいろいろと考えていたのかもしれないですね。
ボクみたいな選手はいろいろとキャリアを重ねてきましたけど、無駄にファイトマネーも高くなっちゃって、いつポンコツになるかもわからないし、非常に使いづらいと思うんですよね(苦笑)。

――
難しい立場にいる自覚がある!(笑)。

水垣
 そこは自分でも全然わかってるんですね(笑)。でも、やっぱり自分が満足できる相手や目標がないと……ただ漠然と試合をやっていくのは自分の性格上、厳しいんですね。何か「これ!」っていう目標がある世界で戦いたい。 そんなときに堀口選手という目標ができて、このタイミングでRIZINさんと契約できたので。

――
川尻(達也)選手も同じこと言ってましたね。何のテーマもなく知らない外国人と試合をするのは難しい年齢になっていると。川尻選手はRIZINライト級GPという目標があるから、今回は初参戦の外国人とやれるんでしょうけど。

水垣
 やっぱりキャリアを重ねていくとそうなると思うんですよね。その先に何かが見えれば頑張れると思うんですけど、そこが曖昧だとモチベーションが大変だと思います。

――
RIZINのリングにはどんな印象がありますか?

水垣
 勝負論がありながら、多くの人の関心を集めているなと見ていましたね。堀口選手や浜崎(朱加)選手もそうですが、実力がある選手がスターになってるじゃないですか。朝倉(海)選手なんかもRIZINがフィーチャーさせた選手だと思ってるので、そこのやり方はうまいですよね。自分もそこの波にうまく乗れればなあ……なんて思ってるんですけど(笑)。他力本願的になっちゃってますけど。

――
そこは団体のプロデュースに、選手が実力でどう期待に応えていくかなんでしょうね。

水垣
 ボクの場合はやれることはある程度限られているので、 試合で頑張るしかないですよね。それ以外にもいろいろやれよと言われるかもしれませんけど、まず試合で結果を出さないとダメなので。まず試合に集中したいです。 

――
相手のマネル・ケイプにはどのような印象がありますか?

水垣
 まだガッチリとは研究はしてないんですけど、さらっと試合を見るかぎりは黒人選手特有のバネがあって怖いですよね。トリッキーで「そこから来るのか!?」という攻撃をしてくるので。 ボクの周囲にそういった練習相手はいないですし、ちょっと警戒しないとなという感じで。

――
マネル・ケイプって爆発力がありながら慎重な一面もありますよね。 

水垣
 そこが厄介ですよね。賢いタイプではありますよね。 普段の振る舞いや試合内容を見てても、全部考えてやってるんだろうなって。

――
ただ闇雲に身体能力だけで戦ってるわけじゃないと。

水垣
 はい。 自ら墓穴を掘ってくれれば助かるんですけど、そうじゃなさそうなので、しっかり研究して自分のほうから崩していくしかないです。

――
かなりタフな試合になりそうですね。

水垣
 彼は門番的なイメージがありますもんね。「PRIDEの門番」と呼ばれたゲーリー・グッドリッジだと思って戦います(笑)。

――
まさにRIZINの入り口に立ったということですね。水垣選手はずっとケージで戦ってましたが、RIZINはリングになりますよね。

水垣
 リングで練習する機会はあるんですが、ただ試合でリングで戦うのは修斗以来になっちゃうんですよね。

――
2007年以来12年振り!

水垣 それにRIZINのリングで戦うのは初めてで。いまさらそこで不安になっても仕方ないんですけど、RIZINの試合が決まる前は「いったい何を目標にしたらいいんだろう?」っていう状態でしたからね。いまは堀口選手という人参がぶら下がってる状態なので……堀口選手にはもの凄く感謝してますね。 ボクにとっては集大成といえる戦いになるので、ケイプにキッチリ勝って、堀口選手にラブレターを送り続けたいですね(笑)。<おしまい>