伝説のプロレス団体UWFインターナショナルでデビューして、キングダム、リングス、PRIDEと渡り歩いた日本格闘技の生き証人金原弘光が格闘技界黎明期を振りかえる。今回はDropkickニコ生で配信されたものをお送りします!


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金原
 ハハハハハハ。過酷だったねぇ。T寮長が出てくるからね。本当にまいったなあ。

――
T寮長(笑)。

金原
 当時はUインターができたばかりで道場がなかったの。入門テストに合格した4人は「何月何日にここに来なさい。ここに布団を送りなさい」と住所を渡されて。

――
寮で自分が寝るための布団ですね。

金原
 自分がイメージするプロレスの寮は、新日本プロレスみたいにベッドがあると思っていたから、自分で布団を用意するんだなって。渡された住所の場所は神奈川県の海老名で。そこに寮と道場があるんだろうと行ってみたら普通の一軒家なんだよね。表札を見たら「高田」って書いてあるんだよ(笑)。

――
つまり高田延彦さんの家!

金原
 そうそう。高田さんが自分が住むために買った向井(亜紀)さんとの新居なんだよ。それを選手の寮にすると。

――
やってることは猪木さんと同じですね。野毛の新日本道場は倍賞美津子さんとの新居のはずが。

金原
 2階に2部屋、1階はLDKで。 家のドアやお風呂も高田さんのサイズに合わせてなのか大きめに作ってあるんだよね。1階にはテストに受かった4人と長井(満也)さんが大部屋で雑魚寝ですよ。2階はT寮長と垣原(賢人)さんがそれぞれ住んでいて。長井さんと垣原さんが俺たちの教育係。挨拶は「おはようございます」と「おつかれさまです」だけだと。1日2食のちゃんこの作り方、洗濯のたたみ方、掃除のやり方も教わって。

――
道場がないのに練習はどこでやるんですか?

金原
 合宿所の隣に公園があってね、そこで田村さん、垣原さん、長井さんと新弟子4人の7人でスクワットやタックルをやってね。そのうち和田(良覚)さんが来て筋トレを教えてもらったり。あと新生UWFの道場を借りてたんだよね。そこを取り壊して新しく作り直したのはだいぶ先なんだけど。

――
寮生活はかなり過酷だったんですよね。

金原
 もう軍隊みたいな生活だからね。「はい」と「いいえ」しか先輩には言うなっていう感じでね。T寮長が2階から降りてくる音が聞こえてきたら立ち上がって「おつかれさまです!」と挨拶しろと。足音が聞こえるたびに立ち上がって挨拶しなきゃいけないし、いったい1日に何回挨拶しなきゃいけないんだっていう(笑)。

――
ハハハハハハ!

金原
 それで外出禁止でしょ。どこも出られない。コンビニに行くとしてもT寮長の許可を取らなきゃいけないんだよね。 

――
外出の許可が出ない場合もあるんですか?

金原
 あるんじゃないのかな。 許可をもらいにT寮長の部屋をノックするのが面倒くさくてね(苦笑)。

――
「ちょっとコンビニに行きたいんですけど……」(笑)。

金原
  風呂も先輩から順番に入るんですよ。新日本プロレスの寮みたいに大きな風呂じゃないから1人ずつ入るんだよね。 

――
T寮長が入らなければ金原さんたちも入れない。
金原 そうそう。T寮長、垣原さん、長井さんが入ってから練習生。T寮長が入らなかったら、いつになっても入れないんだよ。それがさあ、わざとゆっくり入るんだよ。

――
長湯なだけじゃないんですか(笑)。
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