現役時代は「ムエタイキラー」として名を馳せ、「キックぼんやり層」にその面白さを解説してくる鈴木秀明氏。今回のテーマは電撃決定した天心vs武尊です!
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――鈴木さん、那須川天心vs武尊が決定しました!
――メイウェザーvsパッキャオは2015年に実現しましたが、2009年頃から交渉は始まって、浮かんでは消えて。
鈴木 もうないと思っていたのに急にやることになりましたから。この試合はメイウェザーはAサイドで、パッキャオがだいぶ条件で譲ったんですけど、最後の最後に条件が合わなくて。パッキャオは状態がよかったのでメイウェザーが避けたんじゃないかという説もありますね。で、結局試合はなくなってお互いが別のラインに進んでいたところで急に実現しましたからね。
――メイウェザーvsパッキャオと違うのは、那須川天心はボクシング転向が決まっていたので、この大晦日に実現しなかったら永遠に幻に終わっていたってことですね。
鈴木 天心選手がボクシングに転向して世界王者を目指していくのはものすごく厳しい道のりだと思うんですよ。天心選手の体重はキックでは55キロがベストだと言われてますよね。今回の武尊戦は58キロ契約。ボクシングの場合はおそらくもう1階級落とすんじゃないかなと。53.5キロまで絞ることを視野に入れてると思うんですね。その選手がキックで60キロの選手と戦うことはすごいリスキーです。それも本来は4月のRISEが最後のキックという予定を6月に伸ばしてやる。そこまでして武尊戦を受けたんだなというのが驚きですね。
――キック引退延期はウルトラCですよね。
鈴木 ホントにウルトラ Cですよね。 4月のRISEでは天心vs武尊は実現しないでしょうから、大晦日でやらないんだったら「もうない」とは思ってたので。
―― 11月のRISEのリングで、天心選手が4月にロッタンとの再戦をアピールしたときは、キック最終戦に相応しいので武尊戦はもうないのかなって思ったんですよ。
鈴木 4月ロッタン、6月武尊の連戦だったら最高ですけどね(笑)。
――贅沢病ですね(笑)。
鈴木 天心選手が6月までに1試合挟めるのは、58キロの身体にする理由ができるんですよね。試合がなかったら6月の武尊戦を見据えたときにどうなのかなって思うので。
――58キロという契約体重はどう見ましたか?
鈴木 天心選手からすれば57.5キロがベストなのかなと思ったんですけど、体重戻しの上限が62キロと決められましたよね。これは体重の重い武尊選手が有利にならないルールですね。
鈴木 キックでは聞いたことがないです。ボクシングのIBFではありますけど。IBF王者だったユリオルキス・ガンボアの場合は前日計量は突破してるんですけど、IBFの定める翌朝の当日計量には現れない。もうオーバーしてるから。その試合はWBAとのダブルタイトル戦で、ガンボアは勝ったんですけど IBF のほうは剥奪で。
――ああ、試合はできるけど計量には現れないのはダブルタイトル戦の複雑さ。
鈴木 体重オーバーは確信犯なんでしょうね。
――当日計量は競技としてはフェアなのかもしれませんが、興行は壊れる危険があるってことですね。
鈴木 今回当日計量でオーバーしたらどうなるんですかねぇ。ちょっと怖いですよね(笑)。
――リカバリーもコントロールできるもんなんですか?
鈴木 減量と同じやり方ですよね。代謝量と食べる量を計算して制限するだけです。
――武尊選手も1試合挟むと明言してるので、そこで戻し制限をテストするかもしれないです。
鈴木 一度やったほうがいいですね。その試合自体には戻しの規定はないのかもしれないですけども。それは天心選手も試したほうがいいですよ。
鈴木 武尊選手は60キロでやった場合おそらく70キロぐらいまで戻せると思うんですよ。この62キロ縛りというのはものすごくきついと思います。なので当日計量は何時なのかも重要ですよね。これがたとえば朝6時や7時だったら夜までに食べることができるので、そこから体重を増やせますからね。
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コメント
コメントを書く無制限ラウンド完全決着なんて言い出した会見は違和感を感じたが、今は納得できるね。榊原の闇
選手と観客ともに不完全燃焼のリスクを考えるなら、ラウンドは長いほうがいいな。