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佐藤光留が個室ビデオから「はみ出すプロレス」を語る!(聞き手/ジャン斉藤)
★この記事は配信されたものを再構成したものです



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鈴木秀樹が16,000字で語る「プロレスラーの強さとは何か」




――
今日のDropkickの配信のゲストはこの方になります!

光留 どうもパンクラスの佐藤光留でございます。

――
その場所は自宅ではないですよね?

光留
 ボクがいまいるのは川崎の個室ビデオなんですよ。

――
ちょっと待ってください。ご自宅からの予定じゃなかったんですか(笑)。

光留
 いやあ、これには理由がありまして。斉藤さんから「興行論をテーマに」というオファーをいただいて。そこはまあまあの実績があると思うんですけど、マジでマスコミには総スカンされてるんで。

――
ボクはそのへんをいまいち把握できてないんですが、佐藤さんのツイートからいろいろ大変なんだなと。『週刊プロレス』とは絶縁に近いというか。

光留
 『週刊プロレス』がボクを興行を取材しても、『週刊プロレス』に得がないんですよ。ただ、『週刊プロレス』に得があるか・ないかで取材を決めるんだったら、『週刊プロレス』って名前はやめたほうがいいです。『自分にとって得があるプロレス』という雑誌名だったらいいですけどね(笑)。

――
どんなタイトルですか(笑)。『週刊プロレス』とは何があったんですか?

光留
 これはもう公言してることなんですけど、以前の編集長の佐藤(正行)って野郎が……。

――
「佐藤って野郎」(笑)。

光留
 ボクがはじめて『週プロ』の表紙になったのも佐藤編集長のときなんですけど、ボクが総合格闘技でバチーンと勝ったときに聞いたんですよ。「これって『週プロ』では取り上げてくれるんですか?」と。そうしたら「『週刊プロレス』では総合格闘技は取り扱わない」と。そのときに横綱(曙)がRIZINに出ていたんですけど、まあそういう棲み分けならと納得していたら、違う選手がパンクラス本戦前のセミプロみたいなところに出てときにおもいっきり2ページで載っていたんですよね。

――『週プロ』で2ページってけっこう破格ですよね。

光留
 そうなんですよ。「これはどういうことなんですか?」と聞いたら「これは総合格闘技の取材じゃなくて、総合格闘技を通じてその選手の人生を追いかけた記事だ」って言われて面食らっちゃったんですよ(苦笑)。

――
佐藤さんらしいロジックだ(笑)。

光留
 「そんなやり方すっかなあ……」と呆れていたら編集長が変わったんですけど。全日本プロレス担当のXという記者がいるんですが、ボクが5連戦のスケジュールだったとき。4連戦目が馬場さん追善20周年で大仁田(厚)さんと両国でやった日の翌朝4時のことですよ。Xから電話がかかってきて出てもXは何も話さないし、切られたんです。「何かあったんじゃないか」と心配して電話をかけたら、なんかブツブツ言ってるんですよ。「大仁田厚に負ける佐藤光留を見たくなかった」と。

――
早朝4時に(笑)。

光留 「そんなことで午前4時に電話してくるヤツがいるかよ!俺がどんな仕事を受けようと関係ねえだろう!」って口論になって。Xはそんなことを言う奴じゃなかったんで「酔っ払ってるのか」と聞いたら「酔ってないです」というんですよ。じゃあ、余計ヤバいじゃないかと思って。

――酔っていてほしかった(笑)。

光留
 その数日後に記者会見があるので全日本事務所に行ったら、スーツを着たXが小声で「すみませんでした」と謝ってきて。「そんなんで自分がやった罪が消えると思うなよ」と言いました。自分の理想と違ったからって、フリーのレスラーに酔っ払って午前4時に電話してきて職業批判してるわけですよ。頭を丸めて編集長と2人で「すいませんでした」って謝りにくるのが当然ですよ。だって、そんなことを団体所属のレスラーにやったらそんなもんじゃ済まない。

――
新日本のレスラーにやったら……ってことですね。

光留
 その程度の謝罪じゃあ「こっちは一生許さないぞ」ってことで一言も話してないです。『週プロ』も事情は知ってるはずなのに完全にスルーだし、この問題が解決するまで絶対に『週刊プロレス』に出ることはないと思います。何人か話をする記者はいるんですけどね。

――
ボクも熱心な『週プロ』読者じゃないですけど、誌面で扱われてなかったんですね。

光留
 今年自主興行を12回やったんですけど、『週プロ』は1回も来てないと思います。

――
富士通スタジアム川崎でビックマッチをやったり、実家プロレスとか今回の深夜2時興行とか、ボクに届くくらい話題性があるのに。

光留
 やっても来ないです。あ、でも、エル・デスペラード戦は来たかな。そんなもんですよ。

――JEEEPの山奥興行にも行ってないわけですね。

光留
 来るわけないよ(笑)。あんなところまで来てくれた斉藤さんはありがたいなと思う反面、自分は『週刊プロレス』で読んで育ってきましたし、それはそれで悲しいと思うところがあります。いまってオールドメディア云々って言われ方をするじゃないですか。メディアに古いも新しいもないと思うんですけど、『週刊プロレス』は自分たちはオールドで使い物にならないって認めてしまっているなって。で、そんな現状をなんとか覆すために紡ぎ出したのが個室ビデオなんです。

――
えっ、どういうことですか? 話がつかめないです(笑)。

光留
 個室ビデオって修行の場なんですよ。まず狭いじゃないですか。お個室という時点でトレーニングルームなんですよ。まあ壁一枚隔てて誰かが何かをやっててるんですけど(笑)。

――
ハハハハハハハ!隣の人もまさか『週プロ』批判しているとは思わないです(笑)。

光留
 この配信に参加するのがギリギリだったじゃないですか。30分前には店に来てたんですけど、部屋が空いてなくて待ち合い室にいて……。

――
もしかしたら個室ビデオの部屋に空きがなかったから、出演が遅れた可能性があるわけですね(笑)。

光留
 案内されたのが配信4分前でギリギリでしたよね(笑)。でも、今日のテーマだからこその場所なんですよね。ボクが『週刊プロレス』に取材されないことはべつにいいんですけど、自分がやったことを聞きたいと言ってる方がいたら全力で応えたいじゃないですか。そうしたらここに来てましたよ。

――
最大限の礼をもってボクを迎えてくれた。

光留
 本当にそうですよ。たまたまDVDを1本借りましたけど(笑)。

――
ハハハハハハハ!

光留
 個室ビデオには必要です(笑)。

――
しかし、佐藤選手は面白い企画をたくさんやってるので、『週プロ』でも取り上げられてるのかと思ったらそうでもないことには驚きました。

光留
 向こうにも何か事情があるかもしれないんですけどね。でも、好きだったものに裏切られることってダメージでかいんですよ。「ここ10年はUWFの興行が行われてなかった」とか言われるし(苦笑)。

――
ハードヒートが「なかったこと」にされる。

光留
 死ぬ思いでやってきましたからねぇ。自分で企画して自主興行でやる選手はたくさんいます。自分で会場に電話して、自分で選手にブッキングする選手はいますけど、チケットを自分でデザインして印刷会社に連絡してチケットに席番書いてる自主興行はボクだけですよ(笑)。そこもちょっとしたサービスだと思ってやっていて、それをやれるようになったのはメディアから離れたからなんですよね。ボクは対メディアで仕事をすることをやめたんです。これが個人だからできることで、会社だったらそうはいかないんですけど。

――
メディアではなくファンに向けてボールを投げていると。だから新宿FACE26時開始興行なんてアイデアが出るんですね。

光留
 後楽園ホールの「宇宙大戦争」とはしごした奴は100人単位でいたんですよ。いやあー、そいつらの人生を紐解きたいですね。どういう生き方をしたら「宇宙大戦争」とはしごできるのかなと(笑)。いつの時代もファンはたくましいです。

――
そもそもよく新宿FACEで26時から興行をやろうと思いましたね。

光留
 去年のちょうど今頃に12ヵ月連続で興行をやるって宣言したんですよ。やりたい興行はいくつかあったし、12月は集大成的な興行にするしかないと。核になるカードは何にしようかと考えていたら、ある人間から「飯伏幸太が試合をしたがってるから連絡を取りたい」と。ただ、飯伏さんちAEWとの契約の関係から、12月の前半しかできないと。期間が決まってたんです。

――
飯伏選手はAEW所属ですもんね。

光留
 そもそも連絡が来たのが11月の初めぐらいで。会場を調べても後楽園ホールや新宿FACEとかどこも埋まってるし、埋まってなくても同時期にけっこうな興行があるんですよ。

――興行がかぶっちゃってるんですね。

光留
 もちろん選手も被りたくないから、最悪無人島でやるしかないと思って(笑)。念のためFACEに「深夜にできますか?」って連絡したらOKがでたんですよ。

――
すぐOKが出たんですか?

・深夜26時の飯伏幸太
・佐藤光留の八百長論
・最後は「葬式プロレス」
・MMAがある中でのUWFスタイル
・青木真也、佐々木憂流迦評……16000字のプロレス論はまだまだ続く
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