「琴線に触れる」という言葉がある。
元々は「素晴らしいものに出会って感動したり共鳴したりする」という意味だが、「怒りを買う」という真逆の意味もあるらしいというのを最近知った。

前者の場合をイメージすると、心の中に琴やハープのような楽器があり、こころの中につむじ風のように素晴らしいものが吹き込んできて、その琴線を美しく鳴らして心が豊かに揺れるという印象だが、
後者の場合は、どう捉えたらいいのだろうか。
琴線が、スパイ映画の赤外線センサーのように心の中に張り巡らされ、ひとたびそれに触れてしまうと警報が爆音で鳴り響いてしまうようなニュアンスだろうか。
そちらの意味づけについて改めて調べてみると、そもそも「逆鱗に触れる」とか「一線を越える」という言葉と「琴線に触れる」がごちゃ混ぜになってしまった説が有力らしい。
「キンセン」というのが「禁線」のように禁断の境界線のような響きに聞こえるのかもしれない。
琴線という美しい言葉が、「マジでキレちゃう5秒前現象」に繋がってしまうのはなんだか残念な気もするが、言葉は生物なので変化もやむなしだ。受け入れていこうと思う。

「道端に落ちている金銭に触れていたら、戻ってきた持ち主の琴線に触れた。」
よし。ちゃんと使えたはずだ。アップデート完了。
先日、ミュージカル「ベートーヴェン」が大千秋楽を迎える事ができた。ご観劇して下さった皆様、応援して下さった皆様に改めてお礼を言いたい。
内容も役柄も何にも分からない時点で、チケットを取って下さり、当日劇場まで足を運んで下さるという事は並々ならぬ情熱と愛があってのことだと思います。こちらもそれに報いるべくこれからも精進せねばと気が引き締まりますし、単純に嬉しかったです。
本当にありがとうございました!
さて、今回の作品は皆様の心にどう映ったであろうか。