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2月12日、北朝鮮は3回目の核実験を行った。
国際社会の猛反発をよそに地下核実験を強行したのだ。
この核実験に対して、中国政府ですらも「断固反対」「厳正な申し入れ」と従来よりも
厳しいコメントを出している。
なぜ、北朝鮮は孤立を恐れず、冒険主義に走るのだろうか。
この北朝鮮という国家は「駄々っ子」だと考えればよい、と僕は思っている。
デパートでおもちゃがほしいと床に寝転んで泣きわめく子どものようなもの。
つまり、まともに相手をしなければならない国として、自分を認めてほしいのだ。
だから核実験を行い、「ほら、こんな危ないことをしてるんだよ」と示して、
自分の存在をアピールしているわけだ。
それともうひとつは、「弱者の恫喝」だろう。
北朝鮮が相手にしてほしいと思っている相手はアメリカだ。
もちろん、その延長線上には、経済支援という下心がある。
こうした「弱者の恫喝」を、北朝鮮はずっと続けているのだ。
さて、この北朝鮮の「駄々っ子」外交に、日本政府が振り回されたことがある。
2002年の小泉訪朝のときのことだ。
当時の小泉純一郎首相は金正日主席に対して、
「拉致問題を認めるならアメリカに話をつけてあげますよ」
というお土産を持って行った。北朝鮮は拉致問題を認め、詫びるという約束だ。
いわゆる密約である。
ところが、北朝鮮が明らかにした「調査結果」は、ご存知のように、
あまりにひどいものだった。
さらに、金正日主席は拉致について謝罪はしたけれど、
「特殊機関の一部の勝手な行動だった」
と言い逃れをしたのだ。
北朝鮮の対応を見て、アメリカも約束を反故(ほご)にせざるを得なかった。
こんなひどいことをする北朝鮮という国家を、世論が許さなかったのだ。
これは当然だろう。
ところが北朝鮮は、「約束が違う」と怒った。まさに「駄々っ子」である。
そして、そのためにそれ以来、新たな拉致被害者の帰国は実現できていないのである。
もうひとつ東アジアには、付き合いが難しい国がある。日本の隣にある中国だ。
いま、この中国と日本は、尖閣諸島をめぐり、一触即発の状態にある。
ここで、この問題をめぐる秘話を紹介しよう。
日中間がここまで険悪になったのは、日本に対して中国が怒っているからである。
その理由のひとつは、野田佳彦前首相が胡錦濤主席のメンツを潰したためだ。
そして、もうひとつは、この問題を棚上げにしようという「歴史的合意」を
日本がなきものにしたためである。このことは、以前に書いた。
さらにもう一件、中国を決定的に怒らせた出来事があったのだ。
昨年8月、当時の外務副大臣が訪中した。
尖閣問題について話し合うため、野田首相の「特使」のかたちで中国に行ったのである。
このとき尖閣諸島を「国有化」したいという日本側の希望を伝えた。
これに対して、中国側の反応は断固「拒否」であった。
ところが、この中国側の反応を副大臣は野田首相に伝えることができなかった。
誰にも伝えることができないまま、密かに中国を訪れたのだ。
そしてこの再訪中のときに副大臣は、「中国側の気持ちも理解できる」というような
発言をしてしまった。このこともまた当然、首相に伝えていない。
一方、中国側としては、日本を代表する立場で来た人間が、譲歩するかのような発言をした、
と受け止めた。一安心したに違いないだろう。
ところが、そんなやりとりがあった翌月、日本が国有化を決行したのだ。
これで中国は怒ってしまった。中国が日本を「信用ならん」と思うのは当然だろう。
この副大臣には、国を背負うという意識があまりにもなさすぎた。政治家として失格だ。
この一件で、そのことが明らかになった。
だがそれ以上に、日本は本当に外交が下手だと僕はつくづく思う。
「外交の失敗」はすなわち「戦争」につながる。これは世界では常識である。
しかし僕たち日本人には、憲法9条があるため、「戦争」というものをまったく
考えないクセがついてしまっている。
「外交に失敗したら戦争になることもある」という危機意識が持てないのだ。
中国のレーダー照射事件や北朝鮮の核実験強行など、東アジアはいま、
たいへんな状況にある。
「外交の失敗」が直接「戦争」につながりかねないのだ。
もう危機を危機だと認識しない外交は許されない。
「戦争」の可能性をまったく無視した、これまでの議論から脱しなければならない。
政治もメディアも本気で生まれ変わらなければならない時にあるのだ。
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ゲキビズ田原通信
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コメント
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副大臣の名前を伏せるのは自信が無いから?それとも保身?
緊張しているのは確かだが、抗議するところは抗議しないと。日本としても主義主張はあるんだから。
民主党政権のやったことで唯一いいことが、尖閣諸島の国有化だと思ってるんだけど。