『終戦のエンペラー』の公式サイト
ゲキビズ田原通信
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田原総一朗 「終戦の月」に考える、なぜアメリカは日本以外の占領に失敗し続けるのか?
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今年も8月を迎えた。この8月は、多くの日本人にとってやはり「終戦の月」である。日本が終戦した当時11歳だった僕にとってこの8月は、それまで信じていたものが、見事にすべて覆される、という強烈な体験をしたときだった。だからこそ、7月27日に公開された映画『終戦のエンペラー』を、深い思いを持って見たのだ。
話は、日本がポツダム宣言を受諾し、無条件降伏したところから始まる。そして、ダグラス・マッカーサーを最高司令官とするアメリカ軍が、日本に乗り込んでくる。マッカーサー元帥の任務は、日本を占領することであった。さらにいえば、占領という名の国家管理を行なって、日本を「民主主義国」として独立させようとしたのだ。
そのためには、「戦争責任者」たちを逮捕して、連合国の裁判で裁くことが必要であった。そこで問題となったのが、昭和天皇を「戦犯」に含めるべきかどうかだった。そこでマッカーサー元帥は、ボナー・フェラーズ准将にその調査を命じる。フェラーズ准将は、日本のキーパーソンに直接会って天皇の戦争責任を問うた。昭和天皇を裁判にかけるべきかどうか、開戦直前まで総理大臣をつとめた近衛文麿、開戦時に総理大臣だった東条英機陸軍大将、内大臣の木戸幸一らに話を聞いたのである。
結局、フェラーズ准将は、昭和天皇を裁判にかけることをせず、「天皇制」も続けるべきだと判断する。日本人がいかに天皇に深い思いを抱いているかを知り、もし天皇を裁判にかけたりしたら、日本が大混乱して、占領政策がまっとうできないと判断したからだ。近衛文麿、東条英機、木戸幸一らは、いま「戦犯」だったとされている。だが、彼らは自らの命をかけて、天皇を守ったとも言えるだろう。
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