さあ、秋競馬! 秋の中山開幕週のメーンはサマーマイルシリーズ最終戦の京成杯AH(G3、芝1600メートル、13日)。現在3位のアルマディヴァン(牝5、高橋文)が逆転Vへ出走する。G1挑戦で一皮むけた上がり馬が厩舎の重賞初制覇をかけ、シリーズ首位の牡馬2頭と対決だ。
アルマディヴァンの高橋文師は「サマーシリーズは皆勤賞で行くよ。でも、それだけじゃ、何も出ないんだよね」と笑った。中京記念はスマートオリオンに首差届かず、関屋記念は前残りの競馬でレッドアリオンの逃げ切りを許した。上位2頭とはポイントで3点差をつけられたが、いずれも惜敗で十分逆転可能な位置にいる。
サマーマイルシリーズの最終戦、京成杯AHで逆転Vをねらうアルマディヴァン
今年は8戦して【2 1 1 4】。成績にむらはあるが1つの勝利、1つの敗戦をすべて力に変えてきた。3月の幕張S(1着)で初めて右回りを克服すると、福島牝馬S(6着)では4角から直線にかけて何度も他馬にぶつけられながら根性を見せた。何より大きかったのは、G1のヴィクトリアMだ。「メンタル面で余裕が出たし、お尻のあたりがかなりボリュームアップした。結果は15着だが使って良かったよ」と師は言う。経験が馬を強くした。
前走後はいったん放牧を挟んで2日に帰厩。連戦の疲れは見られない。「競馬で鍛えられて、どんどん力を付けている。どこまで成長してくれるか。まだ、天井じゃない」。今回は久しぶりの中山コースだが、前走はスタートから反応したように、追い込み一辺倒ではなくなった。「馬群をこじ開けてくれれば」。シリーズVが厩舎の重賞初制覇となる。
◆サマーマイルシリーズ 最終戦を残しスマートオリオンとレッドアリオンが首位に並ぶ。3位はアルマディヴァン。京成杯は1着に10ポイント、2着に5ポイントが与えられるため、この3頭は勝てば他馬の着順に関係なく優勝となる。