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ランボーは戦場に帰る〜デルシネ・キャラバン始動!〜
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ランボーは戦場に帰る〜デルシネ・キャラバン始動!〜

2014-03-06 00:00
    「今年も沖縄で
     昨年作った”デルシネ”
     『エル・シュリケンvs悪魔の発明』
     上映してもらえませんか?」

    会社からそう提案があった!
    即座にお断りした!
    私にはそれをする目的もなければ義理もない!
    私は「ランボー」ではない!
    わざわざ激戦地に戻るものか!
    ただ
    「見るんじゃないよ!
     出るんだよ!」
    と言って作品のチラシを掲げてくれた
    あの「宜野湾市(ぎのわんし)」の少年達を
    また楽しませたいという気分はあったが
    「沖縄国際映画祭」に参加する気はゼロだった!
    参加するかしないかを
    私の一存で決定できるのであれば
    私が「しない」と即答するのは
    当然の流れだった!

    詳しくは昨年の『ひろぐ』記事
    『沖縄国際映画祭で”正しい事”に挑む』
    をお読みいただきたい!
    きっと皆さんも同様の見解を持ってくれるだろう!

    しかし!
    「もう少し話を聞いて下さい!」
    という社員の熱い言葉に
    私はちょいと耳を貸してみる事にした!

    「今回はデルシネでキャラバン隊を組んでもらい
     沖縄県で行われるいくつかのイベントに
     ”映画屋さん”として巡って欲しいんです!」

    ややっ?
    なんだそれは?
    面白そうじゃないか?
    「沖縄国際映画祭」の一環ではあるものの
    我々「デルシネ」チームが
    映画祭からは完全に独立した状態で
    何の干渉も受けずに
    沖縄県の各地を巡るのか?
    そして様々な場所で
    様々な人達と共に
    『エル・シュリケンvs悪魔の発明』を作るのか?
    「映画屋さん」として?
    それは最高に楽しそうな話ではないか!

    私はさっそく
    いくつかの条件をまとめて
    会社に提出した!
    まずなによりも!
    メイン会場となる
    「宜野湾市」の沖縄コンベンションセンターには
    決して我々を近づけない事!
    同時にメイン会場の人間を
    決して我々に近づけない事!

    私は決して「宜野湾市」が嫌いなわけではない!
    むしろ「宜野湾市」の少年達に
    最初に認めてもらった「デルシネ」だ!
    言わば「デルシネ」発祥の地として
    駅があれば「スタンプ」の柄にしたいほどだ!
    しかしながら
    映画祭当日のメイン会場は
    あまりにも多くのイベントが同時進行しているため
    とにかく命令系統が乱れており
    1つの事を成すのに
    10以上の手順が必要となってしまう!
    全てにおいて迅速に
    そして臨機応変に対応しなければいけない
    「デルシネ」にとって
    それは致命的となってしまうのだ!

    更には
    「デルシネって何ですか?」
    とゼロから説明しなければいけないスタッフを
    一切排除する事を条件付けた!
    やっと説明できた翌日に本番では
    観客とほぼ変わらない!
    それでは私が「デルシネ」に求める
    エンターテインメント性は半減以下だ!
    内容を完全に理解したスタッフが
    決して事故のないように
    決して不快感や退屈を与えないように
    お客さんを振り回す!
    それが私の構想した「デルシネ」の根幹だ!
    スタッフは全て「デルシネ」経験者で編成する!
    予算の中に
    昨年の上映で大活躍してくれた
    「ミルクボーイ駒場」と
    「ガブリエルみき」
    渡航滞在費を含むように!
    そして
    昨年の上映で多大なる協力を受けた
    沖縄在住「デルシネ」スタッフ
    「そのちゃん」と
    沖縄よしもと芸人「ボンボ」のスケジュールも
    全日程おさえるように!

    更にもういくつかの条件を加えた上で
    「それらが一つでもクリアできなければ
     その話はお断りします!」
    と述べた!

    「まぁね!
     そんな風に言っておいたから!」

    と先に登場したメンバー全員に伝えたところ
    ”そこまでしないでいい!”
    と叱られた!
    ものすごく批難された!

    「どんな悪条件だったとしても
     僕らは昨年のあの沖縄でのデルシネ上映が
     最高に楽しかったんです!
     まわりからどんな扱いを受けようが
     素晴らしい事が出来たと思えたんです!」

    「こまちゃん」こと「ミルクボーイ駒場」の
    そんな言葉に
    私は胸が熱くなった!

    「沖縄で
     スクリーンを指差して喜ぶ子供達の顔が
     また見られたら
     あたしらはそれでええんじゃ!」

    「ゲイブ」こと「ガブリエルみき」の
    岡山弁を隠さない強い訴えに
    目頭が熱くなった!

    「そのちゃん」も「ボンボ」も
    「デルシネに関われた事は
     偶然が生んだ最高の経験であり
     いやな目になど一切遭っていない!
     またやらせて下さい!」
    と言ってくれた!
    私は全身が熱くなるのを感じた!

    しかし私が今回提出した条件は
    単に”昨年の腹いせ”のような個人的なものではない!
    彼らをおかしな状況から守るため!
    そして
    お客さんを最高に楽しませるためのものだ!
    みんなから素敵な言葉をもらいながらも
    私は一歩も引く気はなかった!

    「条件は全てクリアさせていただきます!」

    数日後に
    会社からそう連絡があった!

    「メイン会場のイベントとは兼任しない
     専属スタッフも会社からつけます!」

    最高の条件だった!
    私はすぐに全員に伝えた!

    「3月にまたみんなで沖縄に集合し
     デルシネを上映しよう!
     よろしく!」

    観客がスクリーンに登場する「デルシネ」は
    上映会である上に
    撮影会でもある!
    私は撮影場所のロケハンを行うべく
    さっそく沖縄に向かった!


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    「北谷町(ちゃたんちょう)」
    「沖縄市」
    「浦添市(うらそえし)」
    の3会場を1泊2日で歩き廻った!
    どの会場に行っても
    「なにか面白いことやってくれるんですよねぇ!」
    と大歓迎された!
    そう!
    昨年はそれすら無かった!
    「映画上映なのに
     どうしていくつも部屋が必要なんだ!」
    とむしろ邪魔がられた!

    「映画撮るんでしたらね!
     こことかも面白いですよ!」

    「え?
     けどここは路上ですよね?」

    「いえいえ!
     今回は市のイベントですからね!
     歩道であってもこのエリアは市の土地です!
     ここでも映画撮っちゃって下さい!」

    昨年のメイン会場では
    廊下を借りるのにも
    「たぶんダメです!」
    と言われ
    「たぶんとはどういう意味か?」
    と問えば
    「じゃあ絶対ダメです!」
    と言われた!

    「商店街でも撮影したら面白いんじゃないですか?」

    「本当ですか?
     けど商店街でBGMが流れてますからね!
     ちょっと撮影には向かないです!」

    「え?
     じゃあ止めますよBGM!」

    「・・・。」

    「面白いことやってくれるなら
     1日中でも止めますよ!」

    どうしたらいいかわからなかった!
    「デルシネ」が最高の歓迎を受けている!
    「映画祭の会場で映画を撮っている事ほど
     素晴らしい事はない!」
    との主張がまるで受け入れられなかった
    昨年の「沖縄国際映画祭」だったが
    3つの街の人々が
    「ここで映画を撮ったら面白いですよ!」
    と言っては
    私を様々な場所に案内してくれる!
    「それをやってどうなるんですか?」
    と結果ばかりを聞きたがった映画祭関係者に対して
    今回の主催者達は皆
    「それをやったらどうなるんですかねぇ?」
    と私と同じ夢を見る目でロケ場所を見渡してくれる!
    私は更なる感動で胸がいっぱいになった!

    3月16日(日)
    北谷町 美浜メディアステーション
    (司会は「しずる」!)

    3月20日(木)
    沖縄市 コザミュージックタウン
    (司会は「ガレッジセール」
     お笑いステージにて「ボンボ」がネタ披露!)

    3月22日(土)
    浦添市 てだこ広場

    「沖縄国際映画祭」と各市町の
    コラボレーション・イベントにつき
    入場料は全て無料だ!
    「浦添市」では「デルシネ」初の
    野外スクリーンに挑戦させてもらえる!


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    1泊2日のスケジュールによるロケハンには
    「そのちゃん」と「ボンボ」が
    時間を作って付き合ってくれた!
    全てのロケハンが終了しても
    飛行機が飛ぶ時間まで
    ありがたい事に
    ほぼ半日が残されていた!

    「僕の車でどっか行きましょう!」

    と「ボンボ」が言ってくれた!
    お腹もすいたのでステーキを食べないか?
    と提案した!

    沖縄には食生活における不思議な文化がある!
    宴会などで飲んだくれた後に
    誰かが
    「ステーキを食べに行こう!」
    と言い出す奇習だ!
    そのため那覇の街には
    ステーキ屋さんが多い!
    我々は人気店の一つ「88(はちはち)」に入った!


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    帰りについ1瓶購入してしまった
    「88」名物の「にんにくじょうゆ」をかけて
    最高においしいステーキを食べていると
    「ボンボ」がおかしな事を言い出した!

    「去年もね・・・
     みんなでこうやってステーキを食べたでしょう?
     あれがね・・・
     ちっともおいしくなかったんです・・・」

    確かに昨年の「デルシネ」終了後にも
    「ゲイブ」や「こまちゃん」を含むみんなで
    ステーキを食べた!
    しかし今食べているお店に
    負けず劣らずおいしかったはずだ!
    私はそう記憶している!
    私は「ボンボ」がなぜそんな風に思ったかを尋ねた!

    「あの時もね・・・
     今日みたいに飛行機の時間が来るまで
     みんなでドライブしてステーキを食べたんです・・・
     けどね・・・
     今食べているこのステーキを食べ終えたら・・・
     みんないなくなっちゃうんだなぁって思って・・・
     だったらこのステーキが・・・
     ずーっとなくならなきゃいいなぁって思って・・・
     そんな気持ちで食べてたらね・・・
     ちっともおいしくなかったんです・・・」

    じゃあどうだい「ボンボ」?
    今こうして食べているステーキは
    どんな味がする?

    「最高においしいっす!
     これを食べて大王を空港に送ったら!
     次はまたみんなで沖縄に来てくれるんすもんね!
     はい!
     今日のこのステーキは最高においしいっす!」

    沖縄という土地で育つと
    こうまで人間が美しく育つものなのか!
    私はあまりにも愛おしい「ボンボ」を
    その場で抱きしめようかと思ったが
    なにしろ「ボンボ」は
    こんな顔をした芸人なので
    やめておいた!


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    さぁ準備だ!
    「こまちゃん」!
    「ゲイブ」!
    出発の用意をしろ!
    「そのちゃん」!
    「ボンボ」!
    次のステーキ・レストランを探しておけ!
    来週末には世界で最もへんてこりんな映画
    『エル・シュリケンvs悪魔の発明』を持って
    また沖縄に行くぞ!
    そして巡るぞ!
    「デルシネ・キャラバン」の始動だ!

    ところでだ!
    どうして「内地(本州)」で売られている「SPAM」は
    あんな値段なのだろう?
    沖縄にいればどのスーパーマーケットでも
    たいがいがこんな値段(250円前後)だ!
    わずかな海を越えるだけで
    どうしてここまで値段が上がるのだ?
    その差益はどこに消えて行くのだ?
    再来週は段ボール箱いっぱいに
    「SPAM」を買ってこようかと思っている!

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