いつもニャンとも言えない加藤一二三伝説をご愛読頂き,誠に有難うございます!

《目次》
1.20歳頃の思い出(年表を振り返る)
2.アバド氏の名演奏に触れて
3.お知らせ

《本文》
1. 20歳頃の思い出(年表を振り返る)
  昨年11月30日、日本将棋連盟から出版した私のムック本には年表も収録されています。中でも、20歳前後のことはよく覚えているので今から振り返ってみたいと思います。
  昭和34年12月、大山康晴名人と早指し王位戦の将棋を指しました。大山名人が中飛車の作戦でしたが、私は力強く闘い勝利を収めています。
  この将棋は当時の『将棋世界』誌上で自戦記も掲載されています。このとき用いた中央に金が出て行く作戦で、その後2局快勝しています。この金立ち戦法は著者にも書いていますが、当時の読者からはむずかしいとのご感想をいただきました。金は守りの駒で、一般的には棒銀戦法のように銀が出陣して行きます。