第四章「青い影」

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 いよいよ、エミ子と度会の対決が始まった。
 ただし、ゴングが鳴っても、両者はしばらく見つめ合ったままだった。それは、エミ子はもちろんだが、度会も、初めての対戦相手に慎重になっていたからだろう。
 と、そのとき――いきなり、エミ子の方から仕掛けていった。彼女は、遠い間合いからの回し蹴りを試みた。

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 それに対し、度会も動いた。寸前のところでキックを見切ると、カウンターで小さなジャブを繰り出した。
 するとエミ子はそれをまともに受けてしまい、もんどり打って転倒した。
「――っ痛ぁ」
 その瞬間、ブース内の実際のエミ子も、背中に軽い痛みを感じたので驚いてのけぞった。
 それを見て、ぼくは慌てて言った。
「ヘッドセットからは、軽くだけど痛みの信号もフィードバックされるから気をつけて!」
「ええっ! それを早く言ってよ……」
 と、エミ子がぼやいた瞬間だった。立ち上がったエミ