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それから数日後の土曜日、ぼくはエミ子を連れ立って、二人で日野川の土手道のところまでやってきた。
日野川は、米子市を南北に貫き、最後は日本海に注ぎ込む一級河川だ。河口近くだと川幅が二〇〇メートル以上にもなる、ここらでは一番大きな川である。
そのため、両端には広い河川敷や堤防が築かれており、市民の憩いの場所となっていた。休日ともなると、散歩をしたりピクニックをしたりする人たちの姿が数多く見受けられた。
「さて――」
と、東山公園駅から東に歩いて一五分ほどのところにある河川敷にまで来たぼくは、エミ子に向き直ると言った。
「今日は、ここである訓練をしようと思います」
「訓練?」
「そう、この前からきみを見ていて、一つ気づいたことがあったんだ」
「なに?」
「きみには、とある大きな弱点がある」
「ええっ? 何それ?」
「それは……『声』だ」
「声?」
「そう。きみは、さすがに優れたヲキ
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