ハックルベリーに会いに行く
新しいタイプの被搾取層が誕生したわけ(後編)(2,058字)
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今から30年ほど前の1980年代後半、世の中はバブルだった。
当時、ぼくは高校から大学に上がったところで、その恩恵をそれほど享受したわけではなかったが、それでもよく覚えているのは、とにかく「就職」が空前の売り手市場だったということだ。テレビでは連日「人手不足」が叫ばれ、就活では「60社、70社内定をもらった」などという猛者も珍しくなかった。
そう、今は60社、70社「落ちる」のはよくあるが、当時は60社、70社「受かる」というのがあったのだ。なぜそれほどの売り手市場だったかといえば、世の中に仕事が溢れていたからである。
例えば、建設会社などはたくさんの仕事が舞い込んできていた。しかし人手が足らず、それらを全て受注することができなかった。そのため、経営陣は「もっと人がいたらもっと受注でき、もっと儲かっていたのに
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