ハックルベリーに会いに行く
あしたの編集者:その8「読者の潜在ニーズを掘り起こす方法」(1,918字)
前回は、「居酒屋の潜在ニーズを分析し、そこから具体的に本を企画する」と書いたが、その前にもう少し潜在ニーズについて掘り下げてみたい。
「本を売る」というビジネスにおいては、今後「読者の潜在意識に訴えかけていくこと」の必要性が高まっていくだろう。読者の潜在ニーズを掘り起こしていかなければ、沈みゆく出版業界で生き残るのは困難だ。
そこで、「潜在ニーズを掘り起こす」ということについて具体的に見ていきたいのだが、それを実現した近年の好例として、アップルのiPhoneが挙げられよう。
iPhoneが掘り起こした潜在ニーズとは、「ボタンのついていない携帯電話(スマホ)」である。それまで、ボタンのついていない携帯電話は存在しなかった。だから、人々はそれを欲する(ニーズする)ことができなかった。女子高生に「どんな携帯電話が欲しいですか?」と聞いても、けっして「ボタンのついていないもの」とは答えられなかった
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