ハックルベリーに会いに行く
あしたの編集者:その23「人間がフィルターをかける理由」(1,876字)
「ウィリアムズ症候群」という病気がある。遺伝子疾患の一つで知能障害を伴うのだが、この病気の患者というのは、生まれつき「人見知りしない」のだという。
そのため、親が非常に心配する。知人でも他人でも誰彼構わず親しげに話しかけたり、あるいはついていったりしてしまうので、悪い人に騙されないかと危惧するのだ。
そこで親は、例えば「警察官以外は知らない人に話しかけてはならない」というルールを子供に課したりする。そうなると、街中で迷ったときなどに警察官以外に道を聞けないため、とても不便となるのだが、それでもそうしないと仕方ないのだ。
このことから分かるのは、普通の人は他人を簡単には信用しない、ということだ。たいてい疑いの目を持っている。疑いの「フィルター」をかけて世の中を見ている。
人は、生まれてから比較的すぐにこの「フィルター」を獲得する。フィルターは、他者への不信だけではない。世の中全体を斜めから見
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