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 ぼくらは、会長への礼もそこそこに、クリヤビトの集落を後にした。
 会長は、家の外まで出て見送ってくれたものの、その態度は最後までかたく、どこかよそよそしいところがあった。彼は、けっしてぼくらの味方というふうではなかったが、かといって敵というわけでもなく、どこまでも他人行儀で淡々としていた。
 集落を出てから、ぼくらは山道を北に向かった。このとき、時刻は午後にさしかかっていた。まだ夕暮れ前ではあったものの、秋の日はつるべ落としで、辺りはすでに黄金色に染まり始めていた。
 鏡ヶ成までの案内は、タカコがしてくれた。歩き始めてからずっと、タカコはむすっとした表情のまま無言だったので、ぼくらも何も話せずにいた。
 ぼくはこのとき、タカコはしたくもない案内をさせられてむくれているのかと思っていた。だから、なるべく機嫌を損ねないようにしようと気を遣っていた。
 ところが、村を見下ろす峠を過ぎたところで、タ