ぼくは少し前まで「ほとんどの人間は『職業』によって社会の中で居場所を得ているからベーシックインカム(以降BI)は上手くいかない」と思っていた。しかしながら世の中の流れは激しく、今後日本で働き方改革が進行するといよいよ職がなくなる人たちが増えてくるだろう。いやもうすでに今の世の中にも職業に就かないで生きている人たちがたくさんいる。増え続ける年金暮らしの高齢者やニートは、BIの世界を先取りしているような存在だ。

現実がそういうふうに進んでいるなら、今考えるべきは職をなくさないようにすることではなく、むしろBIの世の中になっても多くの人が健全に生きていけるような社会作りを真剣に考えることだろう。最近ぼくが一番興味があるのはそこのところである。職がなくても人が自信と誇りを持って生きるにはどうすればいいのか?

それを考える上でのヒントが一つある。それは、かつて存在した「職がなくても自信と誇りを持って