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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:最終回(1,767字)
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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:最終回(1,767字)

2017-07-04 06:00
    手塚治虫、宮崎駿、宮本茂の三人に共通するのは、一にデザイン力、二に省略力ときて、三つ目が「物語力」だ。彼らは、単に絵の才能がすぐれているだけではなく、物語に対する深い知識と造詣がある。それを、持ち前の美的感覚と結びつけたときに、大きなケミストリーが生まれるのだ。

    手塚治虫は、単にマンガやディズニーといったエンターテインメントだけではなく、文学や音楽に対する深い造詣があった。それゆえ、ドストエフスキーやゲーテなど、文学の名作を下敷きにした作品も多い。特に後半生は、そうした側面を活かして次々とマンガをものしていった。

    宮崎駿も、若い頃に超人的な働きをしながら、一方で岩波書店や福音館書店の児童書を乱読するなど、物語の力を養っていった。彼の監督した作品のほとんど全てが、そうした児童書を下敷きにしていることは今さら説明するまでもないだろう。

    宮本茂も、そのキャリアの最初期から物語の力がずば抜けていた。例え
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