人間と水とは、切っても切れない関係にある。特に日本人だったら、ほとんどの人が毎日お風呂に入るのではないだろうか。また世界中の人々も、お風呂には入らずとも、毎日水を飲むはずだ。

そういうふうに、水は人と非常に縁が深い一方、身近な凶器でもある。なぜなら、人は水の中では息ができないため、潜ったままだとものの数分で窒息してしまうからだ。それは、身体の損傷を通り越してすぐに死につながってしまうのである。

実際、今でも水の事故で命を落とす人は多い。つまり水は、それそのものが極めて危険なのである。だからこそ、それで遊ぶことによって脳内麻薬が豊富に分泌されるのだ。

水遊びのいいところは、死の恐怖というものが段階を追って迫ってくるところだろう。これがスピードや高いところの危険だと、身体が傷つくのは一瞬なので、その恐怖はほとんと一種類しかない。すなわち、「危険のそばにある」ということの恐怖だけだ。

しかし水の場合は、