ハックルベリーに会いに行く
なぜ人間には共同幻想が必要なのか?(3,257字)
今回は、人間にとっての「共同幻想」というものを、「お金」を例に考えてみる。今からお話しするのは、遠い昔、まだお金が発明される以前のことである――
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コメント
コメントを書く最近では大阪のクラブが風営法違反で摘発されたことに始まり、その摘発理由がクラブ側が客にダンスを踊らせたからという馬鹿馬鹿しい事実が報道されました。
この件については警察が別件逮捕を狙ったものだという意見もあるようなのですが、このように法律もまた共同幻想として人々に作用しています。
この例は岩崎さんが書いたこととは逆の、共同幻想による(もはや幻想すら抱けないもの)不利益だと思います。
そこで質問があるのですが、岩崎さんが考える今の社会に不利益をもたらす共同幻想はなんでしょうか?
また記事の最後に、「新しい嘘」が必要かもしれないと結んでいますが、岩崎さんの考える今必要な嘘とはなんですか?
『物語』というような意味合いを抱く『幻想』『嘘』という言葉より、『システム』と言った方が、しっくりくる気がします。
で、お金という『共同システム』に、納得がいってない人が増えているから、各所で物々交換化してる、と。。
>>1
こんにちは。仰るように、警察のこうした行動も共同幻想の一種だと思います。共同幻想が失われると停滞や放置、野放しが始まるのです。愛の反対が無関心、のようなものですね。つまり今、何かまた別種の共同幻想が駆動し始めようとしているとも捉えられるわけです。
今の社会に不利益をもたらす共同幻想とは何か? とのご質問ですが、それは共同幻想に対して過度にアレルギーを示す態度――例えば宗教を忌避するという態度などがそれに当たると思います。ぼくは共同幻想は必要だし、それは人を益するという考えに立っています。
新しい嘘についてですが、それはまだ考え中です。というより、考える前のアイドリングをしている状態と言いましょうか。そういうふうに準備していると、いつか向こうから新しい嘘が飛び込んでくるはずと考えています。
>>2
こんにちは。
実は今日失われているのは、お金よりも労働に対する共同幻想だと思います。労働の仕方がドラスティックに代わる中で、人々は労働の価値というものを見失い始めている。お金への共同幻想が崩れているとしたら、それの二次的現象のように思います。
今、働くということとお金の関係性が、ちょっとだけ難しくなっているように思います。
>>4
おはようございます、コメントの返信ありがとうございました。
この記事をもう一度読み直したんですが、岩崎さんが書いたとおり、共同幻想はみんなが同じ方向を向かなければ存在出来ないのだと気付きました。
共同幻想といえば洗脳もまた似たような概念を持っていると思います。
こうした事象は度々、支配者がその下にいる者を治める時にも使われます。
岩崎さんが書いたように、情報化社会でこうしたものが抱きにくくなっているのは、組織の上に立つものとしてはおもしろくないかもしれません。
これは下にいる人間が本能的に、嘘を見抜く事が自分の身を守り、また嘘を見抜く事で自分が自由でいられることに気づいている証拠ではないでしょうか?
岩崎さんは社会に不利益な共同幻想として、共同幻想に対する過度なアレルギーをあげました。
しかしこれをなくせば必ずその隙につけいる輩が現れるのは必須です。
オウム真理教もその一つでしょう。
僕は必ずしも、そうした拒否反応が社会の不利益につながるとは思えません。
ただ、宗教に関してはその文化様式による経済活動や、昔なら学問と切っても切れない関係だったこともあり、やはり完全否定で片づけるのはいかがなものかと思えます。
社会の利益になる新しい共同幻想についてはやはりネットに纏わること、それと宇宙開発などから誕生するような気がします。
個人的にはスポーツが好きなので、宇宙の無重力空間で新しい競技が生まれるんじゃないかと少しわくわくしています。
>>5
労働に対する共同幻想の崩壊は、おっしゃる通りですね。例えば震災の直後、みんなは『被災地にお金を送ろう』と、寄付金を集めた。『他者のために』というときだけ、労働に対する共同幻想は、機能するんじゃないかなあ今も。と思うんですよねー。なんか、そこが次世代を生き抜くための、突破口な気がしてるんです。