今の日本社会で、子供を生んでいるのは中間層以外――つまり貧困層と富裕層である。
このうち、貧困層が子供を生むのは「種存続の本能」からも理解しやすいが、富裕層が子供を生むのはなぜか?
実は、そこから見えてくる「今の社会の姿」というものがある。

それは、「競争社会が相当に苛烈」ということだ。
実は、富裕層というのは過酷な競争にさらされている。というのも、激しい競争社会の波は富裕層にも覆い被さり、彼らの絶対数をどんどんと減らしているからだ。

格差社会というのは、勝者の数を減らす世界でもある。勝者の絶対数がどんどんと少なくなって、最終的には一つの分野につき一つの会社しか生き残れないようになってしまう。いや、最近では業種をまたいだ競争も激化しているので、最終的には全世界でたった一つの企業しか生き残れないかもしれない(そしてそれはAmazonではないかともいわれている)。

そういう「たった一つの勝者」