そんなふうに、我々はたいてい何らかの空間の管理を任されており、部屋を「道具」として用いている。部屋というのは、人間にとって最も基本的な「生活用具」といえよう。
それにもかかわらず、その使い方となると、多くの人が深く考えているわけではない。誰もが「掃除」については考えているだろうが、部屋そのものを道具としてどう用いるかということにまでは、考えが及んでいない場合がほとんどだ。
それ以前に、多くの人がそもそも部屋を道具としてとらえていない。生活必需品や不可欠なインフラとはとらえていても、その使い方に上手い下手があるという概念すら認識していない。部屋の使い方にも巧拙があるという認識がないから、そもそも部屋を上手く使おうとか、使い方の勉強をしようという発