人は、人とのつながりの中で生きている。
人には、何か基盤となる「よりどころ」が必要だ。よって立つ足場が必要である。

その足場は、「幼い頃に母親から愛された」という事実によってできる場合が多い。ただし、その愛は「正しい愛」でなければならない。
「正しい愛」とは、無償の愛だ。見返りなしに子供を愛するような態度でなければならない。

しかし、多くの親は、たいてい子供に見返りを求める。自分が愛する代わりに、子供にも自分を愛してほしいと望む。そういう「有償の愛」を求める。「等価交換の愛」である。

等価交換の愛を注ぐ母親は、子供がちょっとでも気に食わないことをすると、「損した」という気分になる。だから、子供に駆け引きを仕掛ける。

「そういうことするの、お母さん嫌いだな」

この一言は、かなり重い。この言葉は催眠効果が高く、従ってサブリミナルに効いてくる。

そうなると、子供はお母さんに支配されるようになる。