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言葉だけでは、この世界全体を表現することができない。そして法律も、言葉だけでは表現できない。言葉には、はじめからそういう限界が存在する。
その上で、なお我々は言葉に頼っている。なぜなら、言葉以上に何かを表現するのに適当な道具がないからだ。だから、我々は言葉によって世界を表現しようとし、言葉によって法律を表現しようとする。
このときに、我々は二つの道を選んだ。一つは、より抽象的な言葉を使って表現すること。もう一つは、言葉の具体性を極限まで突き詰めて表現すること。
前者は、言葉というものの限界を超えようとした。そうして、「表現しない」というやり方で表現しようとした。
後者は、言葉の限界を認めた上で、それをぎりぎりまで突き詰めようとした。限界の中で最大限の力を発揮しようとした。
このうち、前者は詩になった。後者は法律になった。そのため、言葉において詩と法律は、二卵性の双子のような存在だ。言葉とい
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