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高校の同級生のアンディ先生が、読売KODOMO新聞で「学校が休みとなったこの3月に子供たちは何をすればいいか?」と質問されていた。
それで、ぼくは聞かれていないが、自分なりに考えてみた。
ぼくは、今の世の中、みんながもっと幸せになればいいと思っている。また、それは比較的簡単にできると思っている。そして、そのためにはどうすればいいか、ということも考えている。それは「頭が良くなること」だ。
というのは、今の世の中、頭が良い人は幸せになるし、頭が悪い人は不幸になるという傾向が加速しているからだ。これは、「そう思う」というぼくの主観ではなく、実際にそうなっている。
では、そもそもここでいう「幸せ」とは何か?
これについては、比較的明快な答えがある。それは、「将来に不安がある状態」が不幸である。逆に「将来に不安がない状態」が幸福である。
例えば、自分の愛する人が死んでしまった。これは、「愛する人が死んでしまった中でこれから生きていくのが不安」なので、不幸となる。将来に不安がある状態だ。
しかし、愛する人が死んでから20年が経過すると、不幸ではなくなる。なぜなら、愛する人がいない状態に慣れてしまったし、それはどういうものかも分かったので、「愛する人が死んでしまった中で生きていく」ことへの不安がなくなるからだ。
つまり、将来への不安というのは、「分からない」ということに起因している。人は、分からないことに不安を感じるのだ。
だから、「いろんなことが分か」れば、不安はなくなる。不安がなくなれば、幸福になれる。
そして、「いろんなことが分かる」というのが、すなわち「頭がいい」ということなので、頭が良くなると幸福になれるのである。その逆に、頭が悪いと不幸なのだ。
ところで、これまでの社会は、みんなが頭が良くなることが難しかった。なぜかというと、情報が行き渡るのにコストが高すぎたからだ。そのため、一部の人しか頭が良くなれなかった。また、それによって幸せになれる人もわずかだった。
だから、つい100年ほど前までは多くの人の頭が悪く、そのために多くの人が不幸だった。ただし、そういう時代には「頭の悪い人が擬似的に幸福になる方法」というものがいろいろと開発された。それは、例えば宗教だったり、道徳だったり、文化だったり、風俗だったりだ。
昔の人は、基本的に「変化を前提としない世の中」に暮らしていた。変化しないと、分からないことも少なくなる。だから、その分幸せになる確率が高い。
ただ、人間にはそもそも「変化したい」という欲求もあるから、完全な幸福というわけではない。それでも、その欲求さえ押さえ込めば幸福でいられた。それが100年前までの社会だ。
しかし今は、頭が良くなることにコストがかからなくなった。そのため、人々の「変化したい」という好奇心が止められなくなった。そうして世の中は、21世紀に入ってから「変化することが前提」になった。
おかげで、宗教も道徳も文化も風俗も、それまでの「変化しないことを前提」としているものは全て廃れてしまった。そうしたもののほとんどが、意味をなさなくなったのだ。
おかげで、頭の悪い人が生きにくい世の中が加速した。そしてそれは、今後も続くだろう。だから、今は頭が良くなるしか幸せになれないのだ。
そこで、学校や会社やイベントが休みですることがないときに何をすればいいかという質問に対しては、ぼくは「頭が良くなるためのことをするといい」と答えたい。
では、頭が良くなるためには何をすればいいのか?
それにはまず、「頭が良くなるとはどういうことか?」を考える。その答えは、前述したように「いろんなことが分かる」ということだ。
ところで、「分かる」というのはその漢字にもあるように、いろんなことを「分ける」ことだ。いろんなことを分けて考えられることが、分かるということの正体である。
だから、「分かる」というのは「カテゴライズ」することなのだ。分類することである。分類の技術が上がることが、分かるということの極みなのだ。
では、分類の技術を上げるためにはどうすればいいか?
これにはいろいろな方法があるが、一番は「詳しい人に聞く」ということだ。分類のプロフェッショナルに、その極意を聞くのである。
では、分類のプロとは誰か?
それは、生物学者である。その中でも、分類の専門家(分類学者)だ。
彼らは、生物の分類に一生を捧げている。そのため、「分類とは何か?」ということが、他の誰よりも「分かって」いる。
だから、彼らの言葉を聞けばいい。彼らの本を読んで、「分類とは何か?」を学べば、必ず頭が良くなるだろう。
そのため、この本をおすすめする。
これを読めば、「分かる」ということが分かるようになる。それは、頭が良くなるための大いなる助けとなるだろう。
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