ハックルベリーに会いに行く
クリエイター塾の塾生を募集します(1,897字)
「岩崎夏海クリエイター塾」というのを月に一度、年12回、月末の土曜日午後に開講している。もう5年くらいしている。今ではすっかり習慣化してしまったが、12回が終わると、期の入れ替えがあって、その都度に新規の塾生を募集している。
新しい期が2020年10月から始まる。また、それに先だって9月末に無料でお試し版の講義をする。もしご興味がおありになれば、ぜひ参加してほしい。
今回は、岩崎夏海クリエイター塾はどんなところか、またそこでどんな講義が行われ、どのような効果が得られるのか、についてお話ししたい。
岩崎夏海クリエイター塾は、塾生がだいたい10人前後である。これを言うとあれだけれど、8割がリピーターで新規が2割ほどである。2割ほど辞められる方もいるが、新しく入ってくる方もいるので、だいたいこの数字で推移している。
ここから分かるのは、岩崎夏海クリエイター塾は、馴染む人には何度でも来たい場所だが、馴染まない人もいるということだ。だから、馴染むか馴染まないかがだいじとなる。そこで、できれば無料の講義で試してみてほしい。そこから、入るかどうかを検討してほしい。
また、12回の講義をセットで購入すると安くなるが、1回の講義をバラ売りしてもいるので、そちらでお試しするのもいいだろう。
どんなことをするのか?
授業は2限で構成される。
1限目は、ぼくが「これからの社会でどう生きていけばいいのか」について話す。ぼくの未来予測に基づき、これからの社会ではこのような生き方や能力が求められる、みたいなことを話す。
これはぼくのYouTubeで話しているテーマとも共通するが、岩崎夏海クリエイター塾ではインターネットではできないより濃い話をする。もっと秘密の、クローズドな場所限定の話をする。もっと生々しかったり、社会の裏側についてだったりのことを話す。
それは、そういうことを知った方が、よりこれからの社会の行く末を見極めるのに役立つと考えるからだ。
1限目は、これをだいたい1時間話す。休憩を挟んで2限目になると、今度は宿題として見てきてもらった映画(ドラマの場合もある)についての考察を、一人5分くらいずつ発表してもらう。また、それに対してぼくが講評もする。
なぜこういう授業をするかといえば、現代において映画(ドラマ)を見ることは、これから生きていく上できわめて重要と考えるからだ。
どのように重要かというと、社会の本質を見極め、その未来を予測するのに大いに役立つのである。
例えば、去年のある回では映画『ジョーカー』について議論した。劇場公開映画だが、次の授業までに何らかの形で見てもらい、その考察を順番に発表してもらう。
『ジョーカー』という映画の長所は、「目に見えにくい弱者(例えば精神障害者)」が現代において徹底的に蔑ろにされているという現実を、言葉やノンフィクションとは違う形で伝えているところだ。
例えば日本では、「就職氷河期世代が生きづらい」ということを言葉やドキュメンタリーで伝えたとしても、見ている方はたいてい他人事になってしまうし、「甘えではないか?」という予断も入り込んでしまう。つまり、実相を知ることはできても、彼らの内面にまでは共感できない場合が多い。
しかしこれがフィクションの映画だと、見る方がその内面にまで入り込める。彼らの心情に共鳴し、彼らの視点でこの世界を見ることができる。つまり、新たな「世界観」を手に入れることができるのだ。
そうなると、『ジョーカー』だったら目に見えない弱者の悲惨な状況が肌感覚として理解できるようになる。それは、今後の社会を予測する上できわめて重要な情報といえるだろう。
そういうふうに、岩崎夏海クリエイター塾に入ると映画から引き出せる情報量が桁違いに増える。例えば、こんな議論も為される。劇中で主人公は障害者の同僚を殺すチャンスがあったが、殺さなかった。「なぜ殺さなかったか?」という理由については描かれないため、その推察は観客の手に委ねられている。
これについて、授業ではぼくも含めた全員で議論する。そこでは実にさまざまな意見が出るから、視点は一気に多様化する。
そういうふうに、岩崎夏海クリエイター塾では単にぼくからの一方通行で授業が行われるわけではなく、塾生同士の多角的なコミュニケーションにも特徴がある。そういう議論の場としても機能している。
授業の後には、自由参加の食事会も毎回ある。ここで懇親を深めるのも、今では岩崎夏海クリエイター塾の魅力の一つになっているといえるだろう。
みなさんのご参加をお待ちしております。
詳しくはこちらをご参照ください。