「人間は本質的に間違う」

これは、自分で言うのもなんだが恐ろしい発見である。ここまで連載を続けてきたのは、この結論に達するためだったのかもしれない。これを知ることこそ、情報リテラシーの本質とさえ言えるだろう。

例えば、「差別は誤りだ」というのは、誰でも受け入れられる考え方だが、しかしそれゆえ、誤りだ。差別はむしろ正である。差別がないと、世の中が回らない。
例えば、猫は差別をする。だから、猫の世界は回っている。そして猫は、「差別は良くない」などとは考えない。ただ単に差別するのみである。そんなふうに、初めから正しい。猫は間違わない。

一方人間は、「差別は良くない」と間違う。そうして、それに則って行動する。ところが、それは誤りなので、やがて上手くいかなくなる。そうして、精神を病むか肉体を病むかして、やがて死んでしまう。

ここに至って、人は初めて気づく。
「差別を否定してはダメなのだ」
そうして、