人間社会は、我々が想像するよりももっとえぐい。そして強固な原理に則って運営されている。

「人が人を間引く」というのも、そのえぐくて強固な原理の一つだ。そもそも、人間の攻撃性(他殺性)にはえぐいものがある。それは、戦争に端的に表れるが、戦争が起こっていない国、戦争がない社会でも、えぐい人殺しが日常茶飯事で行われている。

「人殺し」というのは、ナイフで刺したり、拳銃で撃ったりなどという分かりやすいものだけではない。古今東西、最も合法で、最も効果的な殺人は「社会の無視」である。特に「村八分」は分かりやすい。

ただ、村八分はあまりにも強力な殺害方法なので、依然として合法ではあるけれども、今ではする人が少なくなった。また、グローバル社会になって、以前よりも「村」が存続しなくなった分、成立する可能性も低くもなった。

しかしそれでも、村は依然としてあるし、従ってそこにおける「八分」もなくなってはいない。