今回は、『ドカベン』がなぜ柔道マンガからスタートしたか――を書くつもりだったが、少し趣向を変えて、ぼくが今マンガについて思っていることを散文的に書いてみたい。

まず、そもそも「マンガはなぜこれほど日本で流行したのか?」という疑問がある。マンガは日本で生まれ、発展した。そこから世界中に広まって、今では一定の人気を得ている。

そのマンガの魅力の源泉はどこにあるのか?
最も根源的なマンガの本質とは何か?

それは、「ふざける」ということにあると思う。マンガは、ふざけることを目指す。それが、ふざけられない日本の子どもの心に刺さったからだ。

マンガは、面白いことに、不良は読まない。真面目な子ほど読む。不良がマンガを読むようになったのは、ずいぶん後のことだ。

それは、マンガがふざけることを目的としていたからだ。だから、ふざけることのできなかった真面目な子供たちほど、マンガを読んだ。ふざけられた子供たちは