ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その66(2,146字)
ぼくは、マンガ史における柳沢きみおの重要性は以前から感じていたが、それを上手く説明できないことにずっともどかしさを抱いていた。特に『月とスッポン』の重要性や、それ以前に「面白さ」さえ伝えられないことにある種の絶望感さえあった。
それほど、ぼくは『月とスッポン』を「面白い」と思っていた。文字通り「夢中」で読んでいた。何度くり返し読んだか分からない。特に高校生の頃は、聖書のように毎日読んでいる時期もあった。それは、何回読んでも新しい読後感があるからだ。読むたびに新しい気づきがあった。
そして、その理由(秘訣)が分からないからこそ、何度も夢中になって読んだということがあった。これは『火の鳥』や『ドカベン』『がんばれ元気』にも通じるところだ。そういった評価の高い歴史的名作と並ぶくらい、『月とスッポン』及びその続編である『正平記』は面白い。この2作は、ぼく自身がどんなに引っ越しを重ねようとも、ずっと
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