ハックルベリーに会いに行く
偽物の個人時代:その7(1,795字)
「哲学」というのは、学問ではあるが、歴史の中で「発展」するというよりは「変化」するものだ。文学にも近いが、必ずしも新しければ素晴らしいというわけではない。
普通、学問というと化学や物理、あるいは数学などのように、昔に比べ今の方が各段の進歩をしたものと思いがちだ。しかしこと哲学に限ると、この公式は全く当てはまらない。むしろ、廃れたかに見えた古いものが、鮮やかに復活することもある。
いずれにしろ、哲学は時代の流れの中で流行り廃りがある。かつては流行っていたものの今は廃れてしまった哲学の1つに、パスカルの「人間は考える葦である」というものがある。
これは、今は知らないが、ぼくが子供だったときは当たり前のように学校で習った。そうして、子供たちの評判も上々だった。これを述べたパスカルは17世紀人なので、少なくとも300年間、人々をインスパイアしてきた。
ところが、そこから40年が経過した現代において
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